撮影日記


2015年06月30日(火) 天気:雨

2015年前半にお迎えしたカメラたち

はやいもので,2015年ももう半分が終わってしまった。「○○年にお迎えしたカメラたち」は,毎年末に書いているネタであるが,この半年間でかなり特徴的なカメラをお迎えしているので,いちどまとめておこうと思う。

2015年前半の個人的な大ニュースとしては,私としては珍しく「新品」のカメラを購入した,というものがある。購入したものは,Nikon COOLPIX L30という廉価版のコンパクトディジタルカメラである(2015年3月10日の日記を参照)。「なんでもいいから,新品のコンパクトディジタルカメラを買う」必要が生じたため,たまっていたポイントだけで支払えるものから選択した結果である。利用できるショッピングモールが限られるので,購入できる店舗や商品も限られてしまうわけだが,ちょうどよい具合にNikon COOLPIX L30とめぐりあえたものだ。

この条件で購入できるものとしては,ほかに,KENKO DSC880DWという機種も少し気になった。この機種は,対水深3mの防水性能をもつことが最大の特徴である。しかしながら,撮像素子は800万画素クラスであり,光学ズームを持たないなど,カメラとしての基本機能はかなり不十分に感じられた。
 それに対して,Nikon COOLPIX L30は,十分なスペックをもつ。電源が単3乾電池2本であることは,Nikon COOLPIX L30を選択する強力な理由となる。実際に使ってみると,撮影した画像の記録にかなりの時間がかかるという問題点があることに気がつくが,それを考えて慎重に撮るようにすればよいことだ。

2015年の前半は,COOLPIX L30のほかにも,ニコン様との出会いが多くあった。

 

まずは,Nikon F-401Sである。

Nikon F-401シリーズは,ニコンのオートフォーカス一眼レフカメラの初期において,最下位に位置するモデルである。いろいろな意味で,それまでのニコンの一眼レフカメラとは大きく異なる点があった。それは,互換性を意識しなくなったことである。
 ミノルタがα-7000を発売して,オートフォーカス一眼レフカメラのスタイルを確立させたとき,その仕様や性能を高く評価する声がある一方で,それまでのミノルタSRシリーズやXシリーズ以来のレンズとの互換性がまったくなかったことについて,批判する声もよく聞かれたものである。MINOLTA α-7000につづいて発売されたNikon F-501AFは,従来のマニュアルフォーカスのレンズとの互換性が維持されていたことは,「ニコンはユーザが持つ過去の資産を活かしてくれる」という点で高く評価された。Nikon F-401シリーズは,そういう互換性が軽視されているように見受けられるのである。具体的には,レンズマウントの形状は変更がないものの,露出計との連動機構が電気接点によるものだけとなり,F-401シリーズでは旧来のマニュアルフォーカスのレンズは取りつけられても,内蔵露出計が使えないことになったのである。
 このことは,絞りの設定をレンズに設けられた絞りリングではなく,ボディ側のダイアルで設定するという,ユーザインタフェースの大きな変革につながった。ただ,F-401シリーズが発売されたときには,のちに絞りの設定をボディ側でおこなうことが主流となって,やがてレンズから絞りリングがなくなる(Gタイプレンズ)ということにつながるとは,とても予想できなかったものである。
 このたび,F-401Sを購入したことで,F-401,F-401Xとあわせて,F-401シリーズをすべてそろえることができたのである(2015年2月17日の日記を参照)。

F50Dは,F-401シリーズのつぎに発売された,ニコンの一眼レフカメラのラインアップで最下位に位置モデルである。そのユーザインタフェースは,ダイアルをまったく使わず,すべてボタンで選択するという特異なものであった(2015年2月18日の日記を参照)。これもまた,絞りの設定をボディ側でおこなうものであった。F50Dは,中古カメラ店のジャンクコーナーでたまに見かける機種だが,なかなか購入する勇気がもてないでいた。このたびは,ジャンクコーナーでの一般的な価格よりもずっと安価に購入することができたものである。

また,つい先日,フラッグシップモデルであるNikon F4Eを購入している(2015年6月22日の日記を参照)。まだ,ほとんど使っていないので,使用感などを語るのはしばらく先のことになるだろう。

あらたに購入したものではないが,Nikon F-501AFの非Aiレンズ改造をおこなった。具体的には,F-501AFのAiカプラを撤去するだけで,オートニッコールを含むマニュアルフォーカスレンズで絞り優先AEやプログラムAE撮影を楽しめるようになるのだ(2015年3月18日の日記を参照)。

Nikon F-501AFは,AE時に瞬間絞り込み測光をおこなっているため,こういう改造が成立するのである。これは,Nikon F-501AFを見直す,よい機会となった。

Nikon F-501AFを改造することで非Aiレンズを活用できるようになったので,これから積極的に,オートニッコールを買い集めてみようかなと考えていたら,友人が大量のオートニッコールを譲ってくださった(2015年3月25日の日記を参照)。

Nikon F-501AFの非Ai改造をおこなったことで,オートニッコールでプログラムAE撮影を楽しめるようになった。オートニッコールでプログラムAEを利用できるボディは発売されていないので,これはとても意味のある改造になったのである。また,プログラムAEでスナップ的に撮影しようというときには,広角レンズやショートズーム(小型の標準ズームレンズ)がちょうどよい。譲っていただいたオートニッコールは,近距離補正方式をはじめて採用して広角レンズの画質を向上させたNIKKOR-N AUTO 24mm F2.8や,発売当時はじゅうぶんに小型化が実現されたショートズームとして貴重な存在だったZoom-NIKKOR AUTO 43-86mm F3.5などで,じつに具合がよい。

このほか,Nikomat FT2のホットシュート思われる部品が取りつけられる改造が施されているNikomat FTn(2015年5月10日の日記を参照)や,ニコンからはじめて発売されたスピードライトSB-1(2015年2月15日の日記を参照)なども譲っていただいている。あらためて,厚く御礼申しあげたい。


2015年前半に入手したカメラは,ニコンだけではない。
 FUJICA AX-1は,ずっと以前から入手しようと考えていて,ようやく入手できたカメラである。

フジのAXシリーズは,これまでに実際に使っているのを見かけたことがほとんどないカメラである。また,中古カメラ店の店頭でも,見かける機会が決して多くはない。だから評判もあまり聞こえてこないわけで,妙な先入観もなく使い心地をたしかめることができる。個人的な印象としては,小型軽量に感じられることや,レンズの描写が心地よいことなど,決して悪い印象をもっていない。ただし,ファインダー内の露出計表示だけは,ちょっといただけないものがある(2015年4月19日の日記を参照)。

FUJICA AX-1は,絞り優先AE専用で,シリーズの最下位に位置するモデルであった。FUJICA AX-1が発売されていた当時,各社の一眼レフカメラのシリーズ最下位には,絞り優先AE専用のモデルがラインアップされていた。
 Canon AE-1のためにシャッター速度優先AEのイメージが強かったその当時のキヤノンでも,シリーズ最下位のモデルは絞り優先AE専用のカメラであった。

Canon AV-1である。このカメラを入手したことで,ホースマン「ビューカメラコンバータ」用のマウントアダプタを利用して,TACHIHARA Fielstand45に取りつけるアダプタをつくる気になったものだ(2015年6月11日の日記を参照)。

さらに,絞り優先AE専用一眼レフカメラとして,別の友人がPENTAX MGを譲ってくださった。この方は,PENTAX MGのほかにもいろいろと譲ってくださったのだが,とくにLomography SPINNER360°はとてもおもしろいカメラなので,よく遊ばせてもらっている(2015年6月24日の日記を参照)。あらためて,厚く御礼申しあげたい。

このように,とてもよい出会いがたくさんあった,今年前半である。後半には,どんなよい出会いが待っているだろうか。ワクワクドキドキ,ハラハラドキドキ,ガクガクブルブルである。


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