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2015年03月25日(水) 天気:晴れ改造したF-501AF
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機能 | 内容 |
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装着可能レンズ | 非Aiレンズ,Aiレンズ,Gレンズ |
AEモード | プログラムAEと絞り優先AEが,ともに自動絞りで可能。 |
露出計表示 | 露出計表示と絞りは連動しない(開放相当で固定)。非AiレンズのプログラムAE時は,目安に使える。 |
小型軽量で軽快な一眼レフカメラだから,手元にあるオートニッコールでもっともコンパクトな,NIKKOR-H AUTO 50mm F2と組みあわせてみた。発売時期のまったく異なるボディとレンズだが,意外と似合っていることに驚く。そして,これを機会に「(Ai化されていない)オートニッコールをもうすこし集めてみよう」と考えていたところ,友人が「オートニッコール」レンズを譲ってくださった。NIKKOR-N AUTO 24mm F2.8が2本(Nippon Kogaku Japan銘のものとNikon銘のもの),Zoom-NIKKOR AUTO 43-86mm F3.5が2本(フィルタ枠が白でNippon Kogaku Japan銘のものと,フィルタ枠が黒でNikon銘のZoom-NIKKOR・C),そしてNIKKOR-S 50mm F1.4(距離目盛がfeet表示のみ)の計5本である。この場にて,あらためて厚く御礼申しあげたい。
いずれもAEカメラによく似合う,コンパクトな広角レンズにショートズームレンズ,そして標準レンズである。まずはNIKKOR-H AUTO 50mm F2とNIKKOR-N AUTO 24mm F2.8,Zoom-NIKKOR AUTO 43-86mm F3.5の3本を携えて,Nikon「F-501非Ai」の試運転である。
広角レンズとして一般的な28mmレンズよりもさらに焦点距離の短い「超広角レンズ」が見せてくれる世界は,どんなものだろう?という興味から,24mmの単焦点レンズというものには以前から憧れのようなものがあった。しかし,なぜか縁がなく入手してこなかったレンズである。その理由の1つは,24mmレンズよりもさらに過激な20mmレンズや14mmレンズを買ってしまった(1999年4月6日の日記を参照)ので24mmへの魅力が薄れたこと,そしてその間にズームレンズが広角側を24mmまでカバーするのが一般的になってしまった,というのがまた1つの理由であろうと思われる。
ともあれ,「超広角レンズ」をつけるととりあえず,高い建物を見上げてみたくなるだろう?(笑)
あるいは,高いところから見下ろしてみたくならないか?
ニッコールレンズは,その解像力が高く評価されてきた。その感覚は,50mmレンズで追体験してみよう。
そんなニッコールレンズでも,画質面において「ちょっと,これはなあ…」という評価だったのが,はじめての標準ズームレンズ「ヨンサンハチロク」である。標準レンズとされる50mmをはさんで,広角側にも望遠側にも使えるレンズが,標準レンズとさほど変わらない大きさにまとめられたというのは,当時としては画期的なことだった。そのかわり,画質はちょっと我慢してね…という印象のレンズである。
「ヨンサンハチロク」の問題点は,周辺部の歪曲が非常に目立つことである。また,ボケも美しくない。さらに,逆光にはきわめて弱いようだ。
だがここでは,あえて逆光で撮ってみたかった。フレアに満ち溢れた画面には,どことなく幻想的な印象が出ないかと期待してのものである。
私が「ヨンサンハチロク」に興味をもったのは,これが「ニコンではじめての標準ズームレンズ」「世界で初めての,標準レンズ代わりに使えるサイズの標準ズームレンズ」である,などという存在意義だけではない。かつてニコンが発行していた「新・ニコンの世界」(1979年9月1日発行の初版)という冊子に掲載されていた,「ヨンサンハチロク」の作例写真を美しいと感じたからである。どちらかというと,いわゆるポートレイト作品にはあまり興味のない私だが,半逆光で人物を撮ったその作例写真は,非常に関心をもって見ることができたのである。
「新・ニコンの世界」(初版)に掲載されている「ヨンサンハチロク」は,光学系が改良されたAi Zoom-NIKKOR 43-86mm F3.5である。今回の試運転に使った「ヨンサンハチロク」は改良前のものだから,その欠点はもっとわかりやすく表現されるものと期待したのであった。
ともあれいろいろ撮って現像したところ,露出はほぼそろっており,瞬間絞り込み測光は意図通りはたらいてくれたものと思われる。ニコン「F-501非Ai」は,(Ai化されていない)オートニッコールレンズを手軽に楽しめるボディであることが証明できたといえるだろう。
Nikon F-501AFは初期のオートフォーカス一眼レフカメラであるが,その残念なオートフォーカス機能を無視してしまえば,多機能をコンパクトにまとめた良質なマニュアルフォーカス一眼レフカメラの中級機である。
Nikon F-501AFのシャッター速度ダイアルは,ダイアルにシャッター速度の値(露光時間の逆数)やAEモードなどの記号が書きこまれており,ぱっと見にいまどういう状態にあるかがわかりやすい。絞りは,レンズの根元の絞りリングで選択し,これもリングに値が書きこまれているので,ぱっと見に状態がわかる。これらは,マニュアルフォーカスの一眼レフとしてオーソドックスなユーザインタフェースであり,一眼レフカメラを使ったことのある人なら,まず迷うことはない。電源が単3乾電池4本であることは,その「もち」がよいことや,入手のしやすさなどの面で高く評価できる。電動ワインダーが内蔵されているわりには,小型軽量だといえるだろう。ファインダーも見やすく,スクリーンの交換にも対応している。
マニュアル露出のほかに絞り優先AEとプログラムAEが使えるマルチモードAE機だが,裏蓋をオプションのマルチコントロールバック(MF-19)と交換すれば,年月日など各種データの写しこみに加えて,AFトリガー機能(ピントがあうとデータバックからシャッターがレリーズされる),インターバルタイマー機能(一定時間間隔で自動的にレリーズをおこなう)などの機能が追加され,当時としてはとてつもなく多機能なカメラに変身する。
中級機として基本的なところがきちんとつくりこまれたと思われるカメラなので,オートフォーカス機能をないものと考えて,良質の中級AE一眼レフカメラとして大いに活用できそうなカメラである。この点は,当時のフラッグシップモデルNikon F4にも通じる感覚だろう。いっぽう,F-501AFとF4の間に位置づけられるとみなせるF-801は,少し事情が違う。マニュアルフォーカスレンズも使えるように配慮されているが,マニュアルフォーカスレンズを使うときは機能面で大きな制約が生じ,マニュアルフォーカスレンズが使えるのは「おまけ」的な扱いに感じる。また,ユーザインタフェースがLCD(液晶ディスプレイ)を利用したものになっていることも,F-801をマニュアルフォーカス一眼レフカメラとしてみなす場合の違和感につながる。
ともあれ「F-501非Ai」は,非Aiレンズをもっともお手軽に楽しめるボディにちがいない。
Aiカプラの連動爪が可倒式になっているボディ(Nikon F3,F4,FM,FEなど)ならば非Aiレンズは使えるが,露出計を使うなら絞り込み測光となり,自動絞りではなくなってしまう。Ai方式以前のボディ(Nikon Fフォトミック,F2フォトミック,ニコマートシリーズ)は,どうしても大きく重いものになる。それらにくらべれば小型軽量で,(露出計の表示はあまり役に立たなくなるが)絞り優先AEもプログラムAEも自動絞りで使える「F-501非Ai」の価値が明確になるというものだ。
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