撮影日記


2025年08月24日(日) 天気:晴

マウントアダプタからレンズが生えた

ライカMマウントレンズをソニーEマウントのカメラで使うためのマウントアダプタを買ったのは,今後,いわゆるミラーレスカメラのシステムが増えてきたときに,マウントアダプタを使いまわしやくすることを考えてのことである(2025年8月17日の日記を参照)。いろいろなレンズをライカMマウントのレンズに変換しておけば,ライカMマウントのレンズをそれぞれのカメラボディで使うためのマウントアダプタを用意するだけですむからである。この場合,いわゆるミラーレスカメラのシステムにおけるライカMマウントというものは,一眼レフカメラのシステムにおけるタムロンアダプトールマウントのような存在になるということといってよいかもしれない。タムロンアダプトールマウントのレンズを買っておけば,専用のマウントアダプタを用意するだけで,さまざまな一眼レフカメラで使いまわせたのである(1999年8月14日の日記を参照)。
 この目的をはたすためにつぎに買うべきものは,どれかのレンズマウントをライカMマウントに変換するためのマウントアダプタである。まずはお手軽そうなところで,いわゆるバルナックタイプのスクリューマウントのライカLマウントレンズを,ライカMマウントに変換するためのアダプタを買おうと考えた。ところが,そこは意外と単純なものではなかった。ライカMマウントレンズでは,ファインダーを切り替えるのに必要なレンズの焦点距離の情報を伝えるために,レンズマウントの爪の長さに差をつけてある。そのため,マウントアダプタが何種類か用意されているのである。とはいえそれは,距離計に連動したファインダーをもつライカのボディを使うときに影響することであり,いわゆるミラーレスカメラで使いたいときには関係のないことである。だから基本的に50mmレンズ用のものを買っておけばよいことになるのだが,選ばなければならないとなるとやはり迷ってしまう。
 ところで,実際のライカMマウント用レンズは,いまどれくらいの価格で流通しているのだろうか。全体に中古カメラは強気な価格がつけられている傾向が感じられるが,とくにレンズは,デジタルカメラでも利用しやすいせいか強気な価格のものが目立つ。ましてや,ライカのようなハイブランドの製品の価格は,さらに強気なものになっている。そのなかで目についたものが,コシナが発売するレンズ群である。Voigtländer銘のラインアップ(*1)には,比較的お手軽な価格のものもある。個人的に好みである焦点距離が40mmのレンズ(2018年10月20日の日記を参照)のうち,NOKTON classic 40mm F1.4(*2)というものは,ヨドバシ.comで5万円以下で買える。中古品はあまり出回っていないようで,あっても新品との価格差は大きくない。
 しかし,ヨドバシ.comには在庫がないようで,「お取り寄せ」「次回入荷は9月下旬」との表記があった。ずいぶんと前(2004年4月10日)に発売されたレンズだが,中古品の流通も多くなく,新品との価格差が大きくないということは,注文してもなかなか入手できないものなのかもしれない。使ってみたいと思うなら,早く注文するのがよいだろう。ずっと以前,シグマの超広角レンズSIGMA AF 14mm F3.5を買ったのは,より明るく高価格なものにモデルチェンジして,メーカーでの出荷が終了しており,このような仕様のレンズを安価に購入できる機会はもうないかもしれないと考えたためであった(1999年4月6日の日記を参照)。NOKTON classic 40mm F1.4の出荷が終了するという話は,まだ出ていないようであるが,最近(2025年6月20日),NOKTON 40mm F1.2 Aspherical IIという比較的高価格でより高性能を謳うレンズが発売されているし,少し前(2022年3月30日)には比較的お手頃な価格のHELIAR 40mm F2.8 Asphericalというレンズも発売されている。ラインアップとしてこれらにはさまれるのは,少しばかり気になる状況ではある。
 ともかく,入荷まで1箇月待つことになるのかもしれないと思いながらも注文したところ,翌日には発送の連絡があり,そのまま順調に今日,それを受け取ることができた。

「次回入荷は8月下旬」の間違いだったのだろうか?それとも,「在庫用の入荷は9月下旬の予定だが,注文があればすぐに取り寄せしてみますよ。メーカーさんに在庫がありましたよ。」ということなのだろうか。よくわからないが,とりあえず久しぶりにあたらしいレンズが届いた。「フードからレンズが生える」「フィルタからレンズが生える」という表現を見かけることがあるが,これは「安いからとフードを買ったら,それに適合するレンズも買ってしまった」という現象をあらわしている。今回はまさしく,「マウントアダプタからレンズが生える」という現象だったわけである。さっそくSONY α7にとりつけてファインダーを覗いたところ,EVFではありながら,「これはきれいに撮れそうだ」と感じる像が見えた。さて,これでさいしょに撮るものは,なにになるだろうか。

*1 VM Mount(株式会社コシナ)
https://www.cosina.co.jp/voigtlander/vm-mount/

*2 NOKTON classic 40mm F1.4(株式会社コシナ)
https://www.cosina.co.jp/voigtlander/vm-mount/nokton-classic-40mm-f1-4/

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