撮影日記 |
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2024年06月09日(日) 天気:雨印画紙で白いユリを撮るカメラが扱いやすいと,撮影がはかどるものである。一方で,撮影にあまりにも手間がかからないと,物足りなさを感じることもある。動きが速く,撮るチャンスが少ない被写体であれば,なるべく手間がかからないほうがよいが,そうでないときはほどほどに手間がかかるほうが楽しく感じるものである。もちろん,手間がかかりすぎると,撮影が苦痛と化す。 白いユリの花がたくさん咲いたので,これをモノクロ印画紙で撮ることにする。 まっ白いユリの花を見ると,やや緑がかった雌蕊と,黄色い花粉をたくさんつけた雄蕊がよく目立つ。これを印画紙で撮影し,得られた紙ネガをスキャンしてパーソナルコンピュータに取り込み,ソフトウェアで反転処理をした。そうやって得られた画像を見ると,黄色い花粉の部分が思ったよりも黒く写っている。 Okuhara camera, FUJINAR 18cm F4.5, FUJIBRO WP FM2で撮影,F22, 10sec, デジタル化して反転処理デジタルカメラでカラー撮影した画像(2024年6月2日の日記を参照)を単純にグレースケール化した場合には,黄色い花粉は淡いグレーにしかならない。それに対して,黄色い花粉が黒く写ったという現象は,ほとんど青色の光にしか感光しない印画紙で撮影するときの特性をよくあらわしているといえる。 Nikon Coolpix 800で撮影したカラー画像Nikon Coolpix 800で撮影,RawTherapeeでモノクロ化処理(効果の適用なし)Nikon Coolpix 800で撮影,RawTherapeeでモノクロ化処理(ブルーフィルタ効果を適用)撮影した昨日は,明るいものの曇り空であったため,絞りをF22,露光時間は10秒を基準としている。テンポよく撮りすすめていたところで,絞り込むのを忘れていたカットがあった。F22に絞り込んだつもりがF4.5の開放のままで,4段半の露光過多となった。ほかのカットにくらべて現像を早めに切りあげることで,なんとか像としては救われた。セーフライトの下で進行を観察しながら現像ができる,印画紙撮影の大きなメリットだ。もっとも,露出を間違えないように気をつければ,なにも問題はおこらないのだが。 Okuhara camera, FUJINAR 18cm F4.5, FUJIBRO WP FM2で撮影,F22, 10sec, デジタル化して反転処理被写体に無理に近接しないかぎり,ピントあわせは容易である。そのくらいの距離を保って,画面いっぱいに白い花を埋められるような構図をさがしてみるが,花がそこまでうまいぐあいに密集はしていない。花がそこそこ集まっているような場合も,花の向きが都合よくない。このユリは,鉢植えではなく,花壇に植えている。そのため,自由に配置を変えたり,花の向きを調整したりはできない。 Okuhara camera, FUJINAR 18cm F4.5, FUJIBRO WP FM2で撮影,F22, 10sec, デジタル化して反転処理画面全体が白い花になるように,できるだけ接写になるように撮ってみる。原版はカビネサイズなので,等倍に近い撮影倍率である。ここまで近づくと,ピントグラスではピントの山がつかみにくい。開放でなんとかピントをあわせたのちにF22まで絞りこんでいるので,ピントを大きくははずしていないはずだ。無理な撮影倍率になるとはいえ,構図としてはこれくらいの接写でなければおもしろいものになりにくいと思っている。 Okuhara camera, FUJINAR 18cm F4.5, FUJIBRO WP FM2で撮影,F22, 10sec, デジタル化して反転処理撮影はじゅうぶんに楽しめたが,手元にあるFUJIBRO WP FM2の在庫がほぼ尽きた。つぎに使う印画紙を入手するまで,印画紙を使った組立暗箱による撮影は,しばらくお休みするとしよう。 |
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