2021年08月14日(土) 天気:大雨警報
エクタカラーRAでのカラーネガフィルム現像は 1:1でよいかも
フィルムには,使用にあたっての「有効期限」というものが設定されている,適正に保管していた場合,その有効期限内であれば,本来想定されていた性能が発揮されるというものである。保管が適正ではない場合や,有効期限を過ぎてしまったフィルムは,基本的に,たいせつな撮影に使用するべきではない。しかし,有効期限を過ぎると,なにも写せなくなるというわけではない。うまく保管していたのであれば,少しばかり有効期限を過ぎていても,大きな影響は出ていないように見える場合もある。それでも,保管条件がよくない場合や,有効期限を大幅に過ぎている場合などは,感度が大幅に低下してしまっていたり,粒状性が悪くなっていたり,カラーフィルムであればカラーバランスが大きく崩れてしまっていたりするなど,大きな問題が生じている場合も少なくない。そうなると,通常の撮影には使用できない状態といえる。期限切れフィルムというものは,1つ1つ状況が異なるのでどのような写りをするのか,実際に使ってみないと予想できない。カラーバランスや粒状性が悪化していた結果,たまたま「おもしろい画像が得られる」ことを期待するという遊び方もあるが,結果が予想できないだけに,かなり上級者向けの遊び方だといえるだろう。
期限切れフィルムの状態については,保管条件のほかに,そもそもの銘柄ごとの特性も,影響があるのかもしれない。たとえば,いまわたしの手元に,つぎの3種類の大幅に期限の切れたフィルムがある。
・フジ 業務用カラーフィルム(ISO 100) 有効期限2005年12月
・コニカ 業務用カラーフィルム(ISO 100) 有効期限2005年6月
・コニカ 業務用カラーフィルム(ISO 400) 有効期限2005年5月
いずれも,同じ条件(1つの箱にまとめられた状態)で保管(放置?)されていたものである。このうち,コニカのものは,カラーバランスの悪化やカブリが生じているなど,実用が難しい状態になってしまっている。一方,フジのものは,まだなんとか使えそうな状態である。有効期限上,フジのものが少しだけあたらしいといえるが,ここまで古くなれば誤差の範囲である。
そのように,状態のよくないコニカのフィルムであるが,状態がよくないならばよくないなりに一定のようなので,カラーペーパー用現像液「エクタカラーRA」で現像処理ができるかどうか,試すのに使ってきたのである。
すくなくとも,コダック「エクタカラーRA」でカラーネガフィルムの現像ができることが確認でき(2021年7月18日の日記を参照),本来の濃度よりも希釈することで,「ナニワカラーキットN」と同等の処理時間でよさそうなことがわかった(2021年8月1日の日記を参照)。この方針で間違いがないかどうか,多少は状態のよいフジのフィルムであらためて確認することにした。
本来の濃度(*1)を1:1に希釈した状態の発色現像液(500mL)は,つぎのように作成した。
【1:1 発色現像液】(500mL分)
(1)約30℃の水400mLを用意する。
(2)「発色現像補充液」パートaを10mLとり,かき混ぜながらそそぐ。
(3)「発色現像補充液」パートbを4.7mLとり,かき混ぜながらそそぐ。
(4)「発色現像補充液」パートcを10mLとり,かき混ぜながらそそぐ。
(5)「発色現像スターター」を6.3mLとり,かき混ぜながらそそぐ。
(6)水をたして,500mLにする。
これをおよそ30℃にして,5分30秒のあいだ,処理をした。
Nikon U2, YONGNUO YN 40mm F2.8N, FUJI 100(使用期限2005年12月,ISO 50として使用)
エクタカラーRAで処理,発色現像は1:1希釈,30℃で5分30秒。
「エクタカラーRA」を標準的な濃度の2倍に希釈して,「ナニワカラーキットN」と同等の30℃,5分30秒の発色現像処理をすることでよさそうである。これまでのことからしばらくは,状態の悪くないフィルムについてはこの条件を基準に,状態の悪そうなフィルムについては希釈しない条件を基準にして扱ってみようと思う。
Nikon U2, YONGNUO YN 40mm F2.8N, FUJI 100(使用期限2005年12月,ISO 50として使用)
エクタカラーRAで処理,発色現像は1:1希釈,30℃で5分30秒。
先週の台風が通り過ぎたあと,こんどは日本列島に前線が停滞している。そして,梅雨末期のような豪雨が続いている。広島市でも,一昨日(8月12日)08時13分に大雨警報が発令された。夕方に,大雨警報は大雨注意報にかわったものの,20時30分にふたたび大雨警報になった。そして,昨日(8月13日)08時59分に,大雨特別警報にかわった。そして13時00分には大雨警報にもどったものの,今日の12時41分から再度の大雨特別警報である。わたしの住んでいる場所では幸い,とくにかわったことは起きていないが,各地で河川の氾濫や土砂災害がおこっていることが,報道されている。
こうも雨が続くと,つい先週ころまでの,容赦ない晴れの日が懐かしくなるものである。
*1 KODAK エクタカラーペーパー用現像処理液2リットルの溶かし方(Kodak Alaris Japan 株式会社)
→https://www.kodakalaris.co.jp/professional/selfcolorprint/
【おもな関連記事】
●2021年7月18日の日記
●2021年7月31日の日記
●2021年8月01日の日記
●2021年8月14日の日記
|