撮影日記


2017年03月14日(火) 天気:曇

夜の「鷹の目」

たまたま安価にみつけたSONY αNEX-C3を購入したが,ボディのみでレンズがない(2017年3月5日の日記を参照)。この種のいわゆる「ミラーレス」ディジタルカメラの特徴として,フランジバック(レンズマウント面から撮像素子までの距離)が短いので,マウントアダプタを使ってさまざまなシステム用の交換レンズを利用しやすいというものがある。そこで,何種類かのマウントアダプタを注文した(2017年3月9日の日記を参照)。先週末に,ヤシカ/京セラのCONTAX用レンズを使うためのマウントアダプタ(2017年3月11日の日記を参照)と,M42マウントレンズを使うためのマウントアダプタ(2017年3月12日の日記を参照)が到着した。
 まずは,先に到着したCONTAX用レンズを使うためのマウントアダプタを試してみよう。
 M42マウントレンズを使うことが,もともとの目的だった(2017年2月27日の日記を参照)はずだが,それはさておき。

昼間はなにかと用事があって,はじめての試し撮りは,夜景となった。

SONY NEX-C3, Tessar T* 45mm F2.8

とりあえず,各種の設定はほとんど初期値のままである。感度は「AUTO」,露出モードは「A」(絞り優先AE)にして撮影した。レンズの絞りをF8にすると,ISO1600相当で,シャッター速度は1/2秒になっている。暗部が重視されているようで,光の当たったところが飛び気味ではあるが,まあ許容範囲だろう。ISO1600相当でこの程度のノイズなのは,さすがはあたらしい機種だ。私がこれまで使ってきた,FUJIやKodakの古い機種とは,ずいぶん勝手が違う。

SONY NEX-C3, Tessar T* 45mm F2.8

SONY NEX-C3では,感度をISO19200相当まで設定できる。さすがに最高感度では少々無理があるようで,ノイズが気になってくる。それでも,このような夜景の露光時間が1/50秒で済むというのは,便利なものだ。水面に反射したおぼろげな像まで,明瞭にとらえてくれている。

SONY NEX-C3, Tessar T* 45mm F2.8

レンズをF2.8(開放)で使えば,薄暗い夜の電停でも,昼間のように楽に写すことができる。このとき,「AUTO」に設定していた感度はISO1250相当になっており,露光時間は1/60秒で済んでいる。
 夜景を昼間のように楽に,かつ明瞭に写せることは,すばらしいことだ。
 ただ,撮れたこの画像を見るかぎり,いわゆる「コレジャナイ」感はある。きれいに写っているのは間違いないが,雰囲気がじゅうぶんに表現されていないとでも言えばよいのか。このあたりは,クセをつかみながら,うまく露出補正などかけていく必要があるだろう。

ライカ判の45mmレンズというのは,好きな焦点距離の1つである。
 35mmレンズほど広角ではなく,50mmほど写る範囲が狭くもない。個人的な感覚として,ライカ判の50mmレンズで撮るときには,「あ,この風景がいいな」と思った場所から3歩下がるとちょうどよい,というものがある。45mmという焦点距離は,その3歩分だけ広い範囲が写るように感じる。私にとって,自然に感じる焦点距離の1つである。これは6×9判だとおよそ100mmレンズに相当するものであり,私がマミヤプレスのMamiya-sekor 100mm F3.5をよく使う理由でもある。

SONY NEX-C3, Tessar T* 45mm F2.8

だが,SONY αNEX-C3の撮像素子はAPS-Cサイズとよばれる大きさのものだ。そのため,1.5〜1.6倍くらいの長いレンズを使うときに相当する範囲が写ることになる。45mmレンズであるが,70mmレンズのつもりで使わなければならない。この位置で45mmレンズを使うと,対岸まで写りこんでよい具合であるが,70mmレンズに相当する範囲を切り取ると,少々中途半端に感じてしまう。

風景写真のような広い範囲のものを撮るときには,ライカ判の70mmレンズに相当するレンズは,少々扱いにくいと感じる。静物写真のようなものを撮る場合はどうだろうか。

SONY NEX-C3, Tessar T* 45mm F2.8

路面電車の運転台は,じつに薄暗い空間である。ここは,いたずらに明るく写らず,雰囲気が残ってくれたように思う。質感もじゅうぶんに感じられて,これならば個人的に好きになれそうな写りである。

SONY NEX-C3, Tessar T* 45mm F2.8

ボケについても試してみた。いわゆる「ミラーレス」ディジタルカメラでは,一眼レフカメラ以上に「写るはずのもの」を確認しやすく,期待通りの画像を得ることができた。シャープさはじゅうぶんであり,ディジタルカメラによって,夜でも「鷹の目」は活躍できる。
 一方で,いわゆる「ミラーレス」ディジタルカメラのピントあわせは,慣れないと難しいようだ。フレーミングも,妙に違和感がある。もしかしたら,ビューカメラや二眼レフカメラなどで,「左右逆像」に慣れてしまっているからだろうか?
 まあ,それこそ「慣れ」が解決してくれることだろう。


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