撮影日記


2017年02月27日(月) 天気:はれ

ディジタルカメラでM42マウントレンズを使うなら
そうだ,NikonよりもEOSよりも…

Mamiya ZE用の交換レンズをCanon EOSで使うためのマウントアダプタFOTODIOX Pro ZE-EOSをいただいたので(2016年6月22日の日記を参照),それを気軽に使うためにCanon EOSのディジタルカメラ,Canon EOS 10Dを入手した(2016年12月7日の日記を参照)。このマウントアダプタを使って撮影すると,組みこまれているテレコンバータのためか,フレアが発生しやすい傾向にある。フレアが顕著であっても,それが発生することを前提で撮るならば,ただの欠点ではなく特徴としてとらえることもできる(2016年12月17日の日記を参照)。これまでディジタルカメラでは使えなかったレンズの出番ができることは,とても愉快なことである。
 こういう楽しみ方を体験してしまうと,Mamiya ZE用以外レンズでも,ディジタルカメラで使ってみたくなる。Nikonの一眼レフカメラは,マウント面からフィルム(撮像素子)までの距離(フランジバック)が長いので,単純にマウントを変換しても無限遠にピントをあわせることができない。そのため,Nikonの一眼レフカメラで使うためのマウントアダプタはあまり流通していないし,あったとしても接写専用という扱いになっている。それでも無限遠にピントをあわせたいならば,FOTODIOX Pro ZE-EOSのようにテレコンバータなどの光学系が必要になる。それに対してCanon EOSのフランジバックは比較的短いため,いろいろな種類のマウントアダプタがつくられて流通している。もちろんそれらは,Canonの純正品ではないので,動作の保証はされていない。
 Canon EOS用にはどんなマウントアダプタが用意されているかさがしてみると,まずはM42マウント用のものが見つかった。M42マウントは単純なネジこみ式なので,マウントアダプタが比較的つくりやすいのであろう。ごく安価に売られているものには精度に問題のある製品も含まれているようだが,ともかくamazonで500円台で売られていたものを注文しようとした。しかし,広島市内は配送対象外で注文できない。送り先を大阪市内にすると,配送には問題ないようだが,1個では注文できない。
 さて,どうしようかなと思ったとき,Mamiya ZE用の「Pマウントアダプタ」を入手していたことを思い出した。

ここでいう「Pマウント」とは,プラクチカマウントの意味で,要はM42マウントである。もともと,東ドイツのPRAKTICAというカメラが採用したマウントで,しくみが単純なためにほかの多くのメーカーからもカメラやレンズが発売された(2016年9月14日の日記を参照)。事実上,共通規格のような位置づけにあったマウントである。
 Canon EOS 10DにFOTODIOX Pro ZE-EOSを装着し,M42マウントレンズに「Pマウントアダプタ」を取りつけておけば,M42マウントで提供される古今東西のさまざまなレンズを,EOSのディジタルカメラでも使えることになる。

ただしこの場合は,FOTODIOX Pro ZE-EOSに内蔵されたテレコンバータの影響で,得られる画像はフレアの激しいものになる(2017年1月21日の日記を参照)。これはこれで,ソフトフォーカス効果の得られるレンズとして楽しめるわけだが,M42マウントレンズ本来の描写も楽しみたい。そこであらためて,Canon EOSでM42マウントレンズを使うためのマウントアダプタをさがすことにした。すると,M42マウントレンズ以外のレンズ用のマウントアダプタがあることも,あらためて認識することになる。ヤシカ/コンタックス用のマウントアダプタもおもしろそうだが,もっと気になるのはKマウント用のアダプタだ。
 Kマウントは,それまでM42マウントを採用していたPENTAXが,はじめて採用したバヨネット式のマウントである。このときマウントの仕様が公開されたこともあり,ほかのメーカーもKマウントのカメラやレンズを発売するようになった。リコーのサンキュッパがとくに有名であろうが(2016年2月12日の日記を参照),そのほかシグマやチノン,コシナからもKマウントのカメラやレンズが発売されている。また,旧・ソ連のZENITにも,Kマウントを採用したモデルがある。Kマウントはその後,AE化やAF化にともなって電気接点などの機能が各社独自に拡張されていったが,基本的な形状は維持されている。M42マウントほどではないが,Kマウントでも新旧さまざまなレンズを楽しめる可能性があるということだ。
 さらに,KマウントのカメラでM42マウントのレンズを使うアダプタは,PENTAX純正品をはじめとして入手しやすいマウントアダプタの1つである。
 つまり,Canon EOSでKマウントのレンズを使うマウントアダプタと,KマウントのカメラでM42マウントのレンズを使うマウントアダプタがあれば,Canon EOSでKマウントのレンズもM42マウントのレンズも使えるのである。

熟慮の結果,こんなものを落札してしまった。

PENTAXのディジタル一眼レフカメラ,PENTAX K100Dである。

Mamiya ZEのレンズマウントを採用したディジタル一眼レフカメラは,発売されていない。だから,現在発売されているディジタル一眼レフカメラで,Mamiya ZE用のレンズを使うマウントアダプタに意味がある。
 一方,Kマウントを採用したディジタル一眼レフカメラは,PENTAXから何機種も発売されている。
 PENTAXのディジタル一眼レフカメラと,KマウントのカメラでM42マウントのレンズを使うマウントアダプタを入手する方が,効率がよいのではないだろうか。
 あらためて確認してみたところ,PENTAXのディジタル一眼レフカメラには魅力的なポイントがいくつかある。とくに,マニュアルフォーカスのKマウントレンズを使う術が用意されていることと,単3型電池4本で動作する機種があるという点は,高く評価する。
 PENTAX K100Dは,PENTAXのディジタル一眼レフカメラとしては比較的初期のものであり,撮像素子のサイズはAPS-Cサイズ,画素数は600万画素にすぎないが,一般的な用途にはじゅうぶんな性能である。送料を含めても,Canon EOSでKマウントレンズを使うためのマウントアダプタ2〜3個分程度の価格で,カビが生じているがマルチモードAEに対応したマニュアルフォーカスのSMC PENTAX-A Zoom 35-70mm F4レンズもセットされていたので,とりあえず満足である。

PENTAX K100D, SMC PENTAX-A Zoom 35-70mm F4

こんどこそ,M42マウントのレンズを使うためのマウントアダプタを入手しなければ。


← 前のページ もくじ 次のページ →