撮影日記 |
---|
2015年06月19日(金) 天気:雨信号機の「しましま」はどこへ行った?経済産業省からの呼びかけ等を受けて,日本の大手メーカーでは2010年ころから2012年ころにかけて,白熱電球の製造を終了していった。白熱電球を使っていた自宅の照明器具では,電球が切れたところから,電球型蛍光灯に置き換えていった。電球型蛍光灯が切れたら,こんどはLED電球に置き換えていった。買い始めたころのLED電球は,「LED電球って長寿命がセールスポイントじゃなかったの?」と大いなる疑問を発するくらいすぐに切れるものがあったが,ここしばらくはなかなか切れないでいてくれている。ちなみに私は,2010年6月9日の日記でも書いたように,暗室電球もLED電球に置き換えている。 交通信号機も,電球からLEDに置き換えられている。LEDを使った信号機は,それまでのものにくらべて,ずいぶんと薄くなったものもあるようだ。 毎日といってよいくらい,どこかで必ず目にしているはずの信号機も,いつのまにか少しずつその姿を変えているのである。その姿は,むしろ日常のなかに溶け込んでいるからこそ,かなり意識しないとその変化が気にならないものなのかもしれない。 いつごろからか,信号機の周囲の縞模様がなくなり,街の光景がすっきりしたものになっていった。気がつくと,縞模様のある信号機を見つけるのが困難な状況になっている(2005年2月8日の日記を参照)。 Nikon F-501 AFのジャンクを利用して,初期のニコンFマウントレンズ(オートニッコール,非Ai方式のニッコールレンズ)をプログラムAEで使えるボディをつくることができた(2015年3月25日の日記を参照)。これによって,オートニッコールを気軽に楽しめるようになった。すでに入手していたオートニッコールや,最近いただいたオートニッコールなどの描写を,順次,たしかめていくことにした。 まずは,NIKKOR-Q AUTO 13.5cm F3.5である。いつごろ入手したものかは忘れたが,「cm表記のFマウントニッコールならなんでもいいから1つ入手しておこう」と考えて購入したものだったと思う。3群4枚というシンプルな構成の望遠レンズで中身は空洞の部分が大きいためだろうか,手にもつと見た目よりは軽く感じる。ニコンFと同時期に発売されたレンズだが,F-501AFとの組み合わせでもよく似合っている。これで,上記の信号機を撮ってみた。 Nikon F-501, NIKKOR-Q AUTO 13.5cm F3.5, ACROSコントラストはあまり強くないが,トーンもあまり豊かではない,でも線そのものはきれいに感じる。ここでは素直な写りを見せてくれたが,あまり印象の残らない写りであるとも言える。 つぎは,Zoom-NIKKOR AUTO 43-86mm F3.5だ。 長焦点側にして撮ると信号機全体もうまく収まり,背景の圧縮感も落ち着きがあって,かつ,走ってくるオートバイが背景から浮かび上がってきて,ちょうどよい具合となる。 Nikon F-501, Zoom-NIKKOR AUTO 43-86mm F3.5, ACROS このレンズは,35mm判(ライカ判)スチルカメラ用のズームレンズとしては,ごく初期のものになる。サイズや価格などの面から,標準レンズのかわりに使えるズームレンズとしては実質的に世界ではじめての製品だ,とみなす考え方もある。そのかわり,その描写能力について不満が指摘される場合もある。とくに,短焦点側では樽型の歪曲収差(全体が膨らんで見えるような歪み)が,長焦点側では糸巻型の歪曲収差(全体が中央に集まって見えるような歪み)が目立つ。ただしこのような構図であれば,信号機の支柱にさえ影響が見えなければ,歪曲収差は問題にならない。NIKKOR-Q AUTO 13.5cm F3.5にくらべても,全体にいまひとつシャープ感がないのは,このレンズの特徴だろうか。 |
← 前のページ | もくじ | 次のページ → |