2015年06月15日(月) 天気:曇ときどき晴
4SR44は高い! 4SR44を4つのLR44で代用するには
最近,キヤノンAV-1を入手した。さっそく動作を確認しようとしたが,シャッターレリーズボタンを押してもカメラは反応しない。電子制御シャッターカメラなので,電池がはいっていないと,ウンともスンとも言わないのである。キヤノンAV-1が必要とする電池は,4SR44というものだ。
一般社団法人電池工業会のWebサイト(*1)を参照すれば,「4SR44」とは,「SR44」という電池が4つ直列につながったものであることを意味していることや,「SR44」の「SR」は,「酸化銀電池」「円形」であることを意味していることがわかる。酸化銀電池には,一般的なアルカリマンガン電池にくらべて,さいごまで電圧が安定しているという特徴がある。そのかわり,価格は高い。たとえばパナソニックの製品であれば,4SR44のメーカー希望小売価格は2800円である(*2)。
ところが,「SR44」ならば,ダイソーなどで1個100円で売られている。これを4つ使えば,400円で済むのではないだろうか。あるいは,アルカリマンガン電池「LR44」で代用できるなら,2個100円で売られているのだから,200円で済むのではないだろうか?しかし,4個のLR44を並べるだけでは,キヤノンAV-1を動かすことはできない。4個のLR44を並べても,4SR44にくらべると少し,全長が短いのである。だから接点との間に,アルミ箔を丸めたものなどをはさんでやらねばならない。このようにすることで,キヤノンAV-1は動作した。
先日の日記に書いたように,ホースマン「ビューカメラコンバータ」のマウントを板に取りつけて,タチハラフィルスタンド45にキヤノンFDマウントのカメラを取りつけられるようにした。見方を変えれば,タチハラフィルスタンド45をキヤノンFDマウントの交換レンズとして利用できる,ということになる。このレンズは蛇腹でつながっているのでアオリの自由度も高く,かなりの長さにまで繰り出せるから接写も楽しめそうだ。ただし自動絞りにはならないため,絞り優先AEが使えるとなにかと好都合である。少なくともシャッター速度優先AEは,役に立たない。
キヤノンAV-1は,キヤノンFDマウントのカメラとしては貴重な,絞り優先AE機である。4SR44のかわりに4個のLR44を使ってでも動かしたかったのは,そのためである。
4SR44を使うことになっているほかのカメラでも,電池をうまく入れることさえできれば,4個のLR44で使うことができる。フジカAX-1も,同じように詰め物をして長さをあわせれば,4個のLR44で使うことが可能だ。
電池ボックスの構造によっては,詰め物が必要ない場合もある。
ゼンザブロニカETRSは電池の接点が板バネになっているので,これを少し伸ばしてやることで,4個のLR44をそのまま並べて使えるようになっている。
どうして,キヤノンAV-1やフジカAX-1の電池の接点は,ゼンザブロニカETRSのような板バネ状のものになっていないのだろうか。もちろん,本来は指定された電池を使うことが望ましいのだろうが,どちらが使うにあたって便利なのかは言うまでもあるまい。
*1 電池の知識・電池の規格について (一般社団法人 電池工業会)
→http://www.baj.or.jp/knowledge/spec.html
*2 酸化銀電池 商品一覧|リチウム電池/ボタン電池 (パナソニック)
→http://ctlg.panasonic.com/jp/lithium/button/silver-oxide/lineup.html
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