撮影日記


2014年12月31日(水) 天気:晴のち雪

2014年にお迎えしたカメラたち

例年,12月31日と1月1日は,比較的穏やかな天気になることが多いように感じているが,今年はどちらかというと荒れ気味である。こんな夜は,駄菓子のいかフライをつまみながら軽く飲んで,暖かく過ごすのがよい。広島県内には「いか天」「いかフライ」「ソースかつ」などを製造・販売しているメーカーが多数あるが,いま個人的にいちばんのお気に入りは,砂田食品の「尾道発 ぶちうまぁ!いか天」である。

そんな気分で,今年1年間にお迎えしたおもなカメラやレンズを振り返ってみようと思う。

個人的な大ニュースとしては,今年は久しぶりに「ふつうの価格で」中古レンズを購入した,というものがある。
 最近の私は,だいたいはジャンクコーナーのものを買うので支払う金額はいつもせいぜい数千円なのだが,これは数万円を支払って購入したふつうの中古品である。このレンズは,きちんとした写真を撮るための機材として購入を考えたのだから,まあ当然であろう。なおここで,「それならば,新品を買え」とは言わないでほしい。そこは,懐事情などを察していただきたい。

Nikon AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

3月末,消費税が5%から8%に上がる直前に購入したAF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDは,もっともよく使うレンズの1つになった(2014年3月31日の日記を参照)。Nikon D70などのAPS-Cサイズの撮像素子をもつDXフォーマットのディジタル一眼レフカメラでも使うし(2014年11月15日の日記を参照),Nikon Uのようなエントリークラスのカメラでも使う。個人的には,Nikon F80との組み合わせが,最強の「横着セット」というか,これ1本あればとりあえずなんでも撮れる便利な状態だと思う。レンズに絞りリングがないので基本的にプログラムAE専用になるが,Nikon F90XやNikon F70Dとの組み合わせでも使えるのがありがたい(2014年6月24日の日記を参照)。

ジャンクコーナー以外で購入したものとしては,「アクメルMD」(浅沼商会から発売されていたミノックス判AEカメラ)もあった。

ACMEL MD outfit

ACMEL MDはすでに入手していたので2台目となるのだが,本体のみの1台目を購入したときと変わらぬ価格で,専用フラッシュ,ストラップ,取扱説明書,値札(笑)などのフルセットが売られていたので,ついつい購入してしまったものだ(2014年8月1日の日記を参照)。
 ACMEL MDはとにかく小さいのでいつも携帯しているが,実際に撮影に使っているのは1台目のほうであり,2台目のほうはできるだけ現状を維持できるように保管しておきたい。もちろん,1台目が故障等で撮影不能になったときは,2台目を使うことになるだろう。

今年は仕事の都合で,春から秋にかけてほぼ毎月のように大阪に行っていた。するとその都度,八百富写真機店に立ち寄ってしまう(笑)。JR大阪駅や地下鉄東梅田駅の近くにそれぞれ店舗を構え,21時まで営業しているのだから,どうしても営業時間内にそこを通ってしまう。これこそ,罠。JR大阪駅中央口から地下鉄東梅田駅へ至るルートは,まさにトラップゾーンだ。
 先に書いたACMEL MDは,地下鉄東梅田駅に近い,八百富写真機店のディアモール店で購入したものである。一方の,JR大阪駅中央口に近い八百富写真機店の大阪駅中央店では,ジャンクコーナーの罠にはまりやすい。

MINOLTA α-9000 with MotorDrive MD-90, Ni-Cd BatteryPack NP-90M set

そこではたとえば,ミノルタ「α-9000」を救出している(2014年9月14日の日記を参照)。ごく初期のオートフォーカス一眼レフカメラなので,いまとなっては性能的に期待できるものは多くない。モータードライブやバッテリーパックもセットになっているが,バッテリーパックに内蔵されたNi-Cd電池の寿命が尽きており,モータードライブは使用できる状態にない(そのため,モータードライブの動作は確認できていない)。それでも,元箱や取扱説明書がそろったセットなので,ついつい救出してしまったものである。
 MINOLTA α-9000は,古いとはいえさすがに当時のミノルタの最上位モデルである。オートフォーカスの性能こそ今ひとつだが,全体的な使い心地はとてもよい。オートフォーカス一眼レフカメラとしては貴重な手動巻き上げのカメラだが,巻き上げレバーの感触がよいので操作が快適である。ファインダーの見え具合も良好なので,撮影が楽しくなるカメラだ。初期のオートフォーカス用レンズしか使えないことからマニュアルフォーカスの操作が今ひとつ快適ではない点が,あまりに惜しいカメラである。

そのほか八百富写真機店の大阪駅中央店のジャンクコーナーから救出したカメラとしては,ゴコー「マクロマックス FR-350」もおもしろそうなカメラである(2014年6月27日の日記を参照)。

GOKO MacromaX FR-350

7月には,ニコン「ニューFM2」とズームレンズをセットでいただいた(2014年7月11日の日記を参照)。

Nikon NewFM2 with Ai Zoom-NIKKOR 35-105mm F3.5-4.5S

Nikon NewFM2は,最高1/4000秒,X接点の同調速度1/250秒の高速シャッターを搭載した,機械式制御のマニュアルカメラである。1984年に発売され,2001年に後継機Nikon FM3Aが発売されるまでラインアップされてきた。最上位モデルNikon F3と並んで,1980年代から1990年代末までの,ニコンを代表するカメラだったと言えるだろう。あわせていただいたAi Zoom-NIKKOR 35-105mm F3.5-4.5Sは,ピントリングを前後させることでズーミングをおこなう,いわゆる直進式ズームレンズである。現代の基準では物足りないスペックのレンズだが,当時の感覚ではこれ1本あればとりあえずなんでも撮れる便利なレンズだっただろう。Nikon NewFM2との組み合わせは,当時としては最強のスナップセットだったに相違ない。実際に,スナップ撮影の仕事に使われていたものとのことだ。残念ながらNikon NewFM2は,長らく使ってきたNikon FMと「微妙に」操作体系が異なっていることから,なかなか手になじんでくれなかった。具体的にはレリーズロックの操作方法なのだが,そのあたりはあわてずぼちぼち慣れていこうと思う。
 ニコン様のカメラ,レンズとしてはこのほかに,いちどは手放してしまったAi NIKKOR 200mm F4をふたたび入手する機会があった(2014年6月6日の日記を参照)。

Nikon FM with Ai NIKKOR 200mm F4

さらに今月になってから,Nikon FEのブラックボディと,Ai Zoom-NIKKOR 80-200mm F4.5をセットで入手している。

Nikon FE with Ai Zoom-NIKKOR 80-200mm F4.5

Nikon FEのシルバーボディは一昨年に入手している(2011年4月7日の日記を参照)ので,Nikon FEについては白黒2色がそろったことになる。Nikon FEもNikon NewFM2と同様のレリーズロック機構になっていて,Nikon FMを長く使ってきた者としては手になじみにくいカメラであるが,AEで気軽に撮影できる魅力は捨てがたい。このたびブラックボディを入手してあらためて触ってみたが,シャッターレリーズが軽い点は見直していきたいところだ。
 Ai Zoom-NIKKOR 80-200mm F4.5は古いタイプの望遠ズームレンズであり,開放F値がF4.5というのはファインダー内のスプリットイメージが陰りやすい暗さである。ただ,この時代のこのクラスのレンズをあまり使ったことがないので,いちどきちんと使って,その使い心地や写りを確かめてみたいものだ。

そして今年さいごにお迎えしたものが,ソ連製のハーフサイズカメラ「アガート18K」である(2014年12月18日の日記を参照)。1年を締めくくるカメラとしては少々安っぽいかもしれないが,おもしろそうなカメラという意味で実際に使ってみるのがとても楽しみな1台である。

Belomo AGAT 18K

さて,来年はどんなカメラやレンズとの出会いがあるだろうか。そして,それらでなにを撮っていくことになるだろうか。目標としては,できるだけ早期に「ライカ判サイズの撮像素子をもつ,ニコンのディジタル一眼レフカメラ」をお迎えしたいと考えているのであるが,はたしてどうなるか。


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