撮影日記


2025年07月21日(月) 天気:晴

Nikon D70でもR72フィルタでAE/AFが使えそう

デジタルカメラでR72フィルタを使うと,お手軽に赤外線で撮った画像,赤外線写真をつくることができる。R72フィルタは,可視光線はほとんど通さない。そのため,可視光をミラーでファインダーに導いている一眼レフカメラで使うときは,ファインダーの像はほとんど見えない。
 したがって,R72フィルタを使った撮影では,三脚が必須になる。その場合の手順としてはまず,R72フィルタを装着しない状態で構図やピントを整え,カメラを固定する。カメラを固定したまま,R72フィルタを取りつけてシャッターのレリーズをおこなうことになる。ただし,可視光と赤外光とでは,ピントの位置が異なる。そのためマニュアルフォーカスの場合は,レンズにつけられた赤外指標を参考に,ピントの位置を補正する。また,できるだけ絞りこむようにして,被写界深度が大きくなるようにする。R72フィルタで像がかなり暗くなっていることに加えて,できるだけ絞りこむのだから,それだけ露光時間が長くなる。なおさら,三脚が必須になるのである。
 オートフォーカスやAEがほどよくはたらいてくれるなら,被写体がじゅうぶんに明るいときには手持ち撮影が可能になる可能性もある。Nikon D2Hでは,AFやAEでも,ほどよい具合に調整できていたようであった。ただ,Nikon D2Hは大きく重い。また,記録される画像は400万画素級のものなので,やや物足りない。それに対してNikon D70ならば,Nikon D2Hよりはずっとコンパクトで軽く,記録される画像は600万画素級なので,一般的な用途にはじゅうぶんである。Nikon D70も,R72フィルタとの相性がよさそうである。これでAFやAEが使えるならば,なにかと都合がよい。そこで今日は,Nikon D70でR72フィルタを使った撮影において,AFやAEが頼りになりそうかどうかをたしかめることにする。
 ピントがあっているかどうかを確認しやすくするために,できるだけ近くに被写体を置きたい。そこで,鉢植えのアロエを使うことにした。葉に並んだ突起は,ピントを確認するにも好都合である。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G, R72 filter (ISO 1600, AF, F8(AE 1/640sec))

このアロエは、長いあいだ,うちにあるもので,品種名などはわからない。ときどき冬に油断して雪にあててしまい,枯らしてしまうことが何度もあった。幸いにもすべてが枯れてしまうことがなく,わずかに残った芽からふたたび元気を取り戻してきたりしているものである。調子のよいときであれば,花を咲かせてくれる年もある。
 比較のために通常の撮り方をしたら,カメラの位置はそのままで,R72フィルタを取りつける。ピントの位置をずらしてから,あらためてオートフォーカスを動作させ,同じ絞り値で撮影したところ,ピントも露出も,いい具合におさまっているようである。葉に並んだ突起は,はっきりと識別できる。また,アロエの葉がまっ白く写り,R72フィルタの効果が出ていることがよくわかる。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G, R72 filter (ISO 1600, AF, F8(AE 1/13sec))
R72フィルタをかけて撮影し,AFFINITY PHOTOでそのまま「白黒」化処理をしている。露光時間はぐっと長くなるが,それでも1/13秒である。オートフォーカスも無難な結果が得られている。

元のカラー画像を「白黒」化処理した場合とくらべると,葉の色の出方がまったく異なっていることがよくわかる。だが,これでは「R72フィルタによる赤外線撮影をやってみた」というだけのことである。白く写った葉には,通常の撮影では感じられない透明感があり,ぬめっとした質感もあるのは,とてもおもしろい。これを効果的に使えればよいとは思うが,とりあえずは,R72フィルタを使うとどんな効果が得られるか,という経験を蓄積していこう。ともかくも,Nikon D70でもAFやAEが頼りになりそうだということはわかった。これならばカメラも撮った画像も扱いやすいので,なにかと好都合である。

← 前のページ もくじ 次のページ →