撮影日記


2025年07月13日(日) 天気:晴

ウメを干す R72フィルタで撮る

昨年は,梅干しも梅酒も漬けることができなかった。ウメを,まったく買えなかったのである。毎年,5月下旬ころにはスーパーマーケットなどにもウメが並ぶようになる。それから少したつと,出はじめのころより少し安いものが出回るようになる。運がよいと,傷ついたものや,完熟しそうでそろそろ傷みそうなものなどを,さらに安く買えることもある。しかし昨年は,それらとまったく出会えなかった。それどころか,最初に少し店頭で見かけた後,ウメがまったく店頭にあらわれなかった。どうやら,全国的に不作だったらしい。そのためこの1年間は,一昨年につくった梅干しや梅酒を少しずつたいせつに食いつないできたものであった。
 今年はその反省をふまえて,見かけたらとりあえず1つは買っておくことにした。幸いにも,傷物が混ざっていて少し安く売られているものを5月末に訪れた大阪で見かけたので,1kgだけだが確保しておいた。6月に入ってから,広島県内の道の駅に立ち寄ったときにきれいな状態のものが売られていたので,こちらはふつうサイズのものを2kg,小梅を1kgだけ確保しておいた。今年はこれら計4kgのうちの3kgで梅干しを,1kgで梅シロップをつくることにした。

早々に梅雨が明けてしまったので,先週からウメを干しはじめた。おおむね夏の土用のころに干すので,「土用干し」とよばれる作業である。先週は,大阪で確保した1kg分と広島県内で確保したふつうサイズのウメ1kg分を干した。

今週は,小梅1kg分を干す。よく晴れて日ざしも強いので,からっと干しあがるものである。

Nikon D2H,AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G, R72 filter (ISO 1600, AF, Program AE(F8, 1/30sec))

干しているウメを,R72フィルタをかけて撮るとどうなるか,試してみた。Nikon D2HにAF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5Gを装着し,R72フィルタをかけたところ,ファインダーはほとんどなにも見えない状態になる。そのままウメのほうにカメラをむけて,オートフォーカス,プログラムAEでレリーズをした。その結果として,おおむね無難なピントが得られ,ウメがかなり明るく写るような露出が得られていた。そこで,ウメの明るさを抑えるように画像処理してみたところ,背景が黒く落ち込んで,いい具合の画像にまとまってくれたようである。
 肉眼では認識しにくい状態でも,センサーではおおむね妥当な計測ができているようである。とくに,オートフォーカスが頼りになるならば,レンズの赤外マークは必要ないともいえる。少なくとも,Nikon D2HとR72フィルタの相性は,そんなに悪くないようである。

ただ,このような結果は,すべてのデジタルカメラにあてはまるのかどうかは,わからない。

SONY α7,Mamiya-sekor EF 50mm F1.7, R72 filter (ISO 1600, F11, 5sec)

つぎに,SONY α7で試してみることにした。マウントアダプタを使ってMamiya-sekor EF 50mm F1.7を装着し,絞りを開放にしてファインダーを覗くと,像が見えている。暗い部分の細かいところまでは判別できないが,写る範囲を決めるにはじゅうぶんである。拡大表示にすれば,シルエット部分の輪郭でピント合わせもできる。これは,いわゆるミラーレスカメラでEVFを使っている大きなメリットの1つであろう。ただ,像がいまひとつシャープに見えない。波長の長い光の部分だけを見ていることが影響しているのだろうか。それでもほぼ見えた通りに写るようなので,R72フィルタでの撮影に,いわゆるミラーレスカメラを使うのは理にかなったことといえる。ただ,絞りがおよそF11でも,5秒という露出時間が必要であったので,R72フィルタを使った撮影はNikon D2Hのほうが使いやすそうである。

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