撮影日記


2025年03月09日(日) 天気:晴

いわゆる望遠マクロ 100mmクラスが使いよい

交換レンズのうち,接写のときの画質がよくなるようになっているレンズは,マクロレンズとよばれることがある。おおむね,最大で1/2倍(撮像素子やフィルム上に結ばれる像を,実際の1/2の大きさにできることをあらわす)から等倍(撮像素子やフィルム上に結ばれる像を,実際と同じ大きさにできることをあらわす)のものが,とくに「マクロレンズ」という名称で販売されて,ピントの位置を無限遠から連続的に変化させられるなど,接写をおこないやすいようにもなっている。また,ズームレンズなどでは,1/4倍程度までの撮影ができるものを「マクロ機能つき」などと称していることもある。「マクロレンズとは等倍よりも大きく,拡大撮影ができるものが称するべきであり,等倍以下のレンズはマイクロレンズとよぶ」という態度を貫いているメーカーもあるが,面倒なのでここでは「マクロレンズ」で押し通すことにする。
 昨日,駐車しているクルマに反射した光と,ウメの花を重ねて撮ることを試みた。使ったレンズは,TAMRON SP 90mm F2.5という,いわゆる中望遠マクロレンズとして,古くから一定の評価が高いレンズである。ちょうどよい位置にある花にもう少し近づきたかったが,幹が妨げになり,都合のよい位置に三脚を立てることができない。そこで今日は,より焦点距離の長いレンズを用意して,幹が妨げにならない位置から狙えるかどうかをためすことにした。Ai Micro-NIKKOR 200mm F4と,2倍のテレコンバータTC-200と1.4倍のテレコンバータTC-14ASも用意することにした。  Ai Micor-NIKKOR 200mm F4は,1/2倍までの撮影に対応したレンズである。IF方式といって,中間のレンズ群が移動することでピントをあわせるしくみを採用している。そのため,ピントの位置を無限遠の位置にしても,最短撮影距離の位置にしても,レンズの全長が変化しないという特徴をもつ。TAMRON SP 90mm F2.5で1/2倍の撮影ができる最短撮影距離は,0.39mである。それに対して,Ai Micor-NIKKOR 200mm F4で1/2倍の撮影ができる最短撮影距離は,0.71mである。30cmほどの差であるが,至近距離で小さいものを撮るには,じゅうぶんに大きな差なのである。そして,Ai Micor-NIKKOR 200mm F4での使用が推奨されているものではないが,TC-200やTC-14ASといったテレコンバータを使えば,撮影倍率を1/2倍より大きくできるようになる。

Kodak DCS Pro 14n, Ai Micro-NIKKOR 200mm F4

昨日と同じような時間帯に,同じような場所に三脚を立てる。幹に干渉して自由なポジションをとりにくかったこととくらべると,30cmの差は大きい。三脚が幹と干渉しなくなるのである。ただ,90mmレンズと200mmレンズとでは,写りこむ背景に広さが大きく異なる。Ai Micor-NIKKOR 200mm F4では,TAMRON SP 90mm F2.5よりも狭い範囲しか見えないので,都合よく反射している光を見つけるのが難しくなっている。そういう点でAi Micor-NIKKOR 200mm F4は,扱いにくい面のあるレンズである。それでも結果として,都合のよいポジションを確保できるようになるのであれば,少しばかり苦労しても,使ってみる価値があるレンズであるといえる。
 この場所ではふつうに撮ると,背景に自動車や高層住宅ばかりが写りこむ。それを利用して画面を整理するのは難しそうであるが,反射光を利用するなら比較的ハードルは低いと思う。ともかくここで撮ること魅力は,この反射光を利用できるところであろうか。

Kodak DCS Pro 14n, Ai Micro-NIKKOR 200mm F4, TC-14AS

テレコンバータを併用すると,さらに三脚を立てる位置を幹から遠ざけることができる。するとますます,カメラのポジションが自由になる。不用意にカメラを動かしても,レンズが幹や枝に干渉すことも大幅に少なくなる。ただし,背景の見える範囲もますます狭くなるわけで,都合のよ 反射光を見つけるのも,さらに難しくなるし,ポジションをほんの少し変えるだけで,ねらった花と反射光との位置関係が大きく変わることになる。
 Ai Micor-NIKKOR 200mm F4もテレコンバータTC-14ASも,Kodak DCS Pro 14nで使用するときには,カメラに内蔵された露出計がはたらかない。とはいえ今日も光線の変化は少ないので,露出の決定については試し撮りをしてヒストグラムを見ながら追い込んでいけばじゅうぶんに対応できる。

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