撮影日記


2024年05月06日(月) 天気:雨

スマートメディアの故障に注意

フィルムで撮った画像を「エモい」とする流行も,落ち着いてきたような感じがする。「エモい」と感じる理由は,結局は人それぞれだろうが,「現在のスマートフォンのカメラにくらべて,はっきり写らない」ところが好まれているようすがうかがえる。これは,20年くらい前にあった,Lomographyの流行と似ているように感じられる。古いコンパクトデジタルカメラで撮ることの流行が,これと同じような理由によるものであるならば,あまり高画質ではない古い機種ほど都合がよさそうである。とはいえ,撮像素子の画素数が100万画素を下回るような機種で撮った画像は,L判のサイズにプリントして鑑賞するにしても,ディスプレイモニタで観賞するにしても,あまりに画素数が足りず鮮明な画像が期待できない。また,そのような時期のデジタルカメラは,レンズなどのハードウェアの面でも,カメラ内での画像処理などのソフトウェアの面でも,なにかと発展途上である。せめて撮像素子の画素数が100万画素をこえるようなもの,できれば600万画素以上で記録されるような機種を使いたいところである。

一昨日は2005年に発売された,FUJI FinePix F10を使った(2024年5月4日の日記を参照)。これは,ISO 1600相当での撮影にまで対応するようになった,高感度モードでの性能がそれなりに洗練された機種である。今日は,さらに古くて撮像素子の画素数は300万画素だが,カメラ内での補間処理によって撮影した結果を600万画素の画像として記録できるようになった,FUJI FinePix 6800Zを使ってみることにした。


デジタルカメラが一般市場で話題になるようになったのは,1995年にCASIO QV-10が発売されてからのこととされる。
 その後1997年になると,いろいろなメーカーからいろいろな機種が発売された。CASIO QV-10は一見するとそれまでのフィルムカメラと変わらないような姿をしているが,撮影レンズが端に寄っていることや,撮影レンズ部分が回転するようになっているなど,フィルムで撮るカメラではありえない姿をしている。そのようなデザインのカメラは,ほかにも多く登場している。一方で,それまでのカメラらしい姿のコンパクトデジタルカメラもあらわれるようになり,じつにさまざまな機種が発売され,市場をいちばんにぎわせていた楽しい時代が,1997年である。

1997年を過ぎてもまだ,従来のカメラとは異なる姿のカメラはいろいろとあらわれた。たとえば,富士フイルムから発売されたFinePixシリーズには,横長ではなく縦長のデザインのものがある。そのうちで,2001年に発売されたものが,FUJI FinePix 6800Zである。シャッターレリーズボタンのある部分が斜めにカットされており,ボタンを押しやすくなっている。液晶モニタは小さいが,そこを見ながら撮影してもよいし,バッテリーを節約するために液晶モニターをオフにして,ビューファインダーを利用して撮影してもよい。
 このカメラの撮像素子の画素数は330万画素のものだが,当時の富士フイルムの特徴であるスーパーCCDハニカムという撮像素子が使われており,補間処理によって600万画素の画像として記録するようになっている。

このカメラは,記録媒体にスマートメディアというメモリカードを使う。

撮影したデータを読み取るためには,スマートメディアを取り出してアダプタに装着する。

これをパーソナルコンピュータに挿入するが,データを読み込めない。手順にしたがってスマートメディアをとりはずし,装着しなおすが,やはり読み込めない。そうこうするうちに,初期化が必要であるとのメッセージが出るようになる。撮影したデータはあきらめて,スマートメディアの初期化を試みるが,これもできない。どうやら,スマートメディアが壊れたようである。
 スマートメディアの特徴としては,面積は大きいがたいへん薄いという点がある。また,接点が広くむき出しになっており,不用意に静電気などの影響で壊してしまうことが懸念される。このたびは,通常の手順で,接点にふれないように気をつけながら抜き差しをしたにもかかわらず,壊れてしまったものである。スマートメディアが壊れやすいことはずっと耳にしてきたし,実際に何枚かのスマートメディアが使えなくなってしまった経験がある。スマートメディアだけに対応したデジタルカメラを長く使い続けるには,スマートメディアを壊さないようにすることが,なによりも重要なことになる。

このたびは使用に先立って,スマートメディア内に残っていた画像をパーソナルコンピュータに保存し,記録されていた画像は消去した。スマートメディアに残っていた画像は,データファイルを見たところ,2017年5月25日に撮影したものであった。

FUJI FinePix 6800Z (SUPER EBC FUJINON 8.3mm-24.9mm F2.8-4.5)

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