撮影日記


2024年04月20日(土) 天気:曇のち雨

チューリップの季節 さいごは「アイスクリーム」

秋に100球ほど植えたチューリップは,ほとんどが開花の時期を終えている。いろいろと植えたなかで,まだ開花の時期を迎えていなかったものがある。さいごに残ったその品種は,「アイスクリーム」である。これは八重咲きの花で,開花時期は遅め,草丈も低めの品種である。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

 昨年,はじめて「アイスクリーム」を植え,花の大きさなどの感覚を確認することができた。モノクロ印画紙でチューリップを撮影することを考えたとき,「アイスクリーム」はぜひとも撮りたい品種である。その理由としてまず,咲くのは,白い花であることが重要である。モノクロ印画紙は赤い光には感度がなく,花の色によってどのような写り方をするかは,撮ってみなければわからないところがある。その点,白い色の部分が多い花であれば,その明るさの差をうまく撮ってみようという1つの基準のようなものを設定しやすい。そして,全体に背が低いので,風で花が揺れる影響も少ない。つまり,長時間露光になりがちな,印画紙で撮影するのにもじつに都合がよい被写体になるのである。
 今日から明日にかけて,このあと雨が降りだしそうである。それでもまだ明るい曇り空なので,露光はきもちほど長めの12秒とする。そして,白い花のディテールがつぶれないように,花の部分がまっ黒くなる前に,現像を止める。先週までに撮った花とは違って,赤い部分がしっかりと暗く写ってくれている。そして,白く大きな花の存在が,わかりやすくなっている。

Thomson Brothers lens, FUJIBRO WP FM2

「アイスクリーム」は,開花すると大きな八重咲の花を楽しめる。しかし,いちばんの見ごろなのは,開花の前のつぼみがふくらんでいるときであろう。まさに,カップにのったアイスクリームのようなこのスタイルに,なんともいえない可愛らしさがあるのだ。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

また,サクラでも感じることであるが,咲いてしまうと白っぽくなる花も,つぼみのときにはしっかりと,赤からピンクにかけての色がついているものである。その赤い姿が,開花してからの白い姿と異なっているのも,また,魅力を感じる点である。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

花を撮るときのよくある演出の1つとして,水を浴びせて水滴をつけておくのもよく似合う。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

それは,モノクロ印画紙で撮る場合にも効果的である。

Thomson Brothers lens, FUJIBRO WP FM2

これで,この秋に植えたチューリップの球根はすべて,花が咲いたことになり,今年もじゅうぶんに楽しむことができた。チューリップの花が終わると,まもなくゴールデンウィークの連休となる。


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