撮影日記 |
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2023年12月14日(木) 天気:曇のち雨重い照度計これまでにいろいろとご提供いただいた結果,2台のGOSSEN Lunasixを入手することができた。しかもこれらはたまたま,前期型と後期型とに分類できるようなものだったのである(2023年12月10日の日記を参照)。GOSSEN Lunasix(ゴッセン・ルナシックス)は,CdSという素子を使う(そのために電源が必要である)露出計である。それより以前には,セレン光電池を使うGOSSEN Sixtomat(ゴッセン・シクストマット)という小型の露出計が発売されていた。これについては,あわせて4台を入手することになった。表面の部品が破損していたりするものもあるが,これも細かく見ると3つくらいに分類できそうである。その相違点や前後関係などが見えてきたら,またあらためてまとめようと思う。 さて,いただいた機材のなかには,こういうものも含まれていた。ともかく重いので計ってみると,500gをこえている。 このように閉じた状態のままでは,この装置がいったいなんなのかよくわらない。しかし,開いてみれば,受光部のような円形の部分とメーターがあるので,どうやら露出計らしい装置であることがわかる。 メーターのところには,筆記体の「Toshiba」というロゴがある。これは,東芝の製品であることを示している。しかし,その下にある「LUXMETER」のさらに下にある文字は,「TOKYO KOGAKU KIKAI K.K.」と書かれている。東芝の製品であれば「TOKYO SHIBAURA DENKI K.K.」などと書かれていそうなものであるが,これはなにを意味しているのだろうか。 さて,メーターの下に書かれている「TOKYO KOGAKU KIKAI」とは,どういう関係にあるのだろうか。装置の裏面を見ると,「東京芝浦電気」ではなく,「東京光学機械株式会社」と書かれている。これは,現在のトプコンが1989年まで使っていた社名である。Webで公開されているトプコンの概要(*2)を見ると,「東京芝浦電気(株)(現(株)東芝)の関係会社となり、電気計測器等の生産を開始」と書かれている。関係会社になる前の,製品の開発や製造の役割については読み取れないが,「Toshiba」のロゴと「東京光学機械」の名前とが共存しているということは,この個体は関係会社になった1960年以降に製造,出荷されたものと考えてよいだろう。 この照度計の受光部は,大きく折り返すこともできるようになっている。そのため,メーターを見ながらの測光には,たいへん好都合である。現在,明るさに応じて振れ幅が変わるなど,メーターは動いている。しかし,精度についてはどの程度まで保たれているかはわからない。
*1 7號型照度計に就いて(馬場新二) (「東芝レビュー 第8巻第7号」(東芝技術企画部,1953年7月)(国立国会図書館デジタルコレクション)
*2 トプコンの歩み 1932〜1969年 (株式会社トプコン) |
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