撮影日記 |
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2023年10月09日(月) 天気:曇暗箱のアダプタをつくりなおす大判カメラとして古くある形態の1つに,「組立暗箱」というものがある。これは,レンズを取りつける前枠と,ピントグラスやフィルムを入れた取枠を取りつける後枠とが蛇腹でつながれているもので,撮影しないときは底板に重ねるように折りたためる構造になっている。そのため,撮影しないときにはきわめてコンパクトになるのが大きな特徴の1つである。撮影するときには前枠と後枠とを立ち上げて,はめあわせたりネジを締めたりなど,組み立てをする必要がある。そのことから,この種のカメラは「組立暗箱」とよばれるようになっている。暗箱とは,文字通りに暗い空間をあらわしている。シャッターを閉じれば,フィルムには光があたらない。 ピント板を横位置に置いたときは問題ないが,縦位置に置くと取枠をはめられない。いま,呉市立美術館では特別展「明和電機 ナンセンスファクトリー展 in 呉」が開催されている(*1)。展示では,明和電機が開発したさまざまな装置の展示やデモンストレーションのほかか,その背景の説明がおこなわれていた。会場では順路としてまず,土佐信道氏が中学生や高校生のころに描いた絵などを見ることができるようになっている。不安定だった心情を反映しているとされている,それらのシュールレアリスム的な絵を見ていると,なんとなくマネをしたくなってくる。実際にはとてもマネなどできるはずもないのだが,あえて表現すれば,なにか創作をしたくなるのである(そのような意欲をかきたてるために,定期的に「広島市現代美術館」に通っていた時期もあった)。今日も,せっかく呉まで出かけたことだし,展示を見終わったらいろいろと写真を撮ってみようと考えていた。 ともかく,暗箱の後部のアダプタをつくりなおす必要があることを思い出した。今日は,この工作をすることにしよう。 厚さ10oの板をはめ込めるようになっている。使おうと考えているピント板の厚みは3mmなので,厚さ3mmの板で四隅を固定できるようにする。 厚さ3oの板でピント板を固定する。上から金属の板をおろせば,ピント板を固定できる。 木ネジで止めたステンレスの小片をさげるとピント板を固定できる。横位置でなら使えていたので,急いでいるわけではなかった。それで,なんとなく億劫に感じていた工作だが,展示を見に行ったことがちょうどよい刺激になってくれたようである。曇りがちだったことも,写真を撮るより工作をしたいという気持ちを後押ししたものと思われる。
*1 特別展「明和電機 ナンセンスファクトリー展 in 呉」 (呉市立美術館) |
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