撮影日記


2021年11月07日(日) 天気:晴

大朝の「天狗シデ」を撮る

6インチ×10インチ判で使える超広角レンズ,FUJINON SW 120mm F8を長くお借りしたままになっている。そろそろ,このレンズでの成果をまとめたものとあわせて,お返ししなければならないと考えている。このレンズを使うのにふさわしいと思う被写体として,北広島町の大朝にある天然記念物「大朝のテングシデ群落」を訪れることにした。1937(昭和12)年5月28日に広島県指定天然記念物に指定され,2000(平成12)年9月6日に国の天然記念物に指定されている。

ここには,これまでにも何度か訪れたことがある。複雑な形に枝を伸ばしたこの木々を撮るには,超広角レンズを使うのがとくにおもしろいと感じている(2014年10月4日の日記を参照)。この周辺でも,ほどよく紅葉した木々が見られる。しかし,テングシデそのものは美しく紅葉するものではなく,この場所が紅葉の名所と認識されているわけではない。期待通りに今日は,ここで写真を撮っている人の姿は見られず,気兼ねなくのんびりを撮影を楽しめるわけである。

FUJINON SW 120mm F8, FUJIBRO WP FM2

時刻はすでに10時を過ぎているが,季節がら太陽の位置は高くない。よく晴れているとはいえ,撮影条件は日陰の逆光である。フィルムのかわりに印画紙で撮影しているため,感度をISO 1.5相当として基準となる露出を決めている。よく晴れた日中の順光条件では,絞りF22,露光時間1secくらいが基準になる。しかし,このような条件だから露出も少々長めの4secとしている。
 現像の進行を緩やかにするために,現像液はミクロファインを1:1に希釈したものを使っている。朝晩はすっかり気温が下がるようになり,放置していた現像液の液温は16℃しかない。それでも室温は20℃くらいはあるので,そのまま処理をした。液温が低いせいか,じゅうぶんに画像が出るまでには360秒〜450秒かかっている。

 
FUJINON SW 120mm F8, FUJIBRO WP FM2

順光の条件で撮影したときも,影の部分が多いため,暗部がつぶれすぎないように,露光を2secにしている。
 フィルムのかわりに印画紙を使う場合,RCタイプの号数印画紙が使いよいと感じてきた。フジブロの発売終了で,RCタイプの号数印画紙は,入手できなくなったようである(2018年4月4日の日記を参照)。

*1 「大朝のテングシデ群落」国指定文化財等データベース (文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/401/3255


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