撮影日記 |
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2020年11月03日(火) 天気:晴のち曇 風強しデジタルカメラだけで撮る三段峡2012年に,Kodakの内式カラーポジフィルム,エクタクロームフィルムの発売終了がアナウンスされた(*1)。その後しばらくして,エクタクロームの入手ができなくなるとともに,個人的にはフィルムを使って写真を撮る機会が少しずつ減っていった。それでもまだ富士フイルムからはカラーポジフィルムの発売が続いているので,春のサクラと秋の紅葉くらいはできるだけフィルムで撮り続けようとしてきたものである。 11月3日には,例年,三段滝の紅葉が撮りごろとなる。だから今年も三段滝を訪れたいと考えたのだが,もっとも近いと考えられる餅ノ木口からの探勝路(遊歩道)は,落石のために通行止めになっているとのことである。 そこで今日は,樽床口から三ツ滝をめざすことにした。 おもに使うカメラがマミヤプレスではないことにより,歩く道すがら,ちょっと気になるところがあれば気軽にカメラを向けることができるようにもなった。FUJIFILM X-T10はコンパクトなので,とくにこのメリットが感じられる。 FUJIFILM X-T10, 7artisans 25mm F1.8コンパクトなカメラボディに,コンパクトなレンズの組みあわせは,とても扱いやすい。ただ,このレンズの描写については,すこし残念なところがある。中央付近はとても線が細くシャープに写るのだが,四隅の像は,かなり流れたものになっている。そのようなエリアに前ボケがくると,像の流れがかなり目立つことになって,具合がわるい。 FUJIFILM X-T10, 7artisans 25mm F1.8そのような欠点を目立たせなくするには,四隅にシルエットになるものや青空を配置するなど,構図に配慮が必要となる。 FUJIFILM X-T10, Ai NIKKOR 50mm F1.4FUJIFILM X-T10と7artisans 25mm F1.8レンズの組みあわせでは,四隅の像が流れるほか,ベルビアのような雰囲気の発色になることが少し気がかりであった。しかし,レンズを変えると,それなりに落ち着いた印象の画像になる。日陰の条件でも1/120秒で露光できたのは,最低感度がISO 200相当の高感度であることと,F1.4というレンズによる効果である。マミヤプレスでの撮影では,むしろ絞りこんで長時間露光にし,水を白く流してしまう撮りかたばかりになる場面である。 FUJIFILM X-T10, SIGMA AF 14mm F3.5三ツ滝での紅葉の進行は,三段滝での紅葉よりもやや早い。葉をすべて落としてしまっている木もあるが,それでもまだじゅうぶんに見ごろである。SIGMA AF 14mm F3.5もどちらかというと青く写る印象のあるレンズであるが,そのせいかFUJIFILM X-T10との組みあわせでは,同じように鮮やかな画像を得ることができた。 Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 14mm F3.5同じ場所を,Kodak DCS Pro 14nでも撮ってみる。 Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDすこし残念なことは,朝のうちはよく晴れていたものの,次第に空を覆う雲が増えてきたことにある。そして,風が強く,雲の動きも速い。光の具合がころころ変わるので,まったく同じような光の条件で撮りくらべができたとは,いいがたい。
*1 コダック プロフェッショナル エクタクローム及びエリートクロームフィルム 製造販売中止のお知らせ (コダック株式会社コンシューマービジネス本部 2012年3月1日) |
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