撮影日記 |
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2019年09月18日(水) 天気:晴アーガスC3を見直そう最近,NHKテレビのドラマ「なつぞら」で,登場人物がARGUS C3を使っていたとのことで,twitterなどが盛り上がっていた。こういう盛り上がりには,便乗するべきだ。ARGUS C3に関してはさいわい,標準レンズのほかに広角レンズも望遠レンズも入手できている。 ARGUS C3は,1940年ころから1960年ころにかけて,アメリカで広く普及したカメラである。ファインダーには,レンズのピントリングに連動した距離計が内蔵されており,いちおうレンズ交換もできる。ただし,距離計はよくある二重像合致式のものではなく,上下に分離した像を合致させるようなもの,一眼レフカメラのスプリットイメージのような使い方をするものなので,違和感をもつ人があるかもしれない。 まずは,広角レンズを使うことにする。 ARGUS C-3, ENNA SANDMAR 35mm F4.5, ACROSこの種のカメラでは,35mmくらいの広角レンズがいちばん使いやすいと,私は感じている。視野が広いぶん,急に目の前にあらわれた被写体でも,じゅうぶんにとらえてくれる。 ARGUS C-3, ENNA SANDMAR 35mm F4.5, ACROSただ,被写体に寄ることを控えてしまうと,少々散漫な印象になってしまうのは,しかたない。 ARGUS C-3, ENNA SANDMAR 35mm F4.5, ACROSどちらかというと安っぽく見えるカメラとレンズだが,写りに関してはしっかりしたものを見せてくれる。 たまには,望遠レンズも使ってみよう。 ARGUS C-3, ENNA Tele-Sandmar 100mmF4.5, ACROS個人的に,この種のカメラで望遠レンズを使うのは,むずかしく感じる。パララクスの補正機構もなく,どうにも構図をつくりにくいと感じてしまう。 ARGUS C-3, ENNA Tele-Sandmar 100mmF4.5, ACROS被写体に寄ることにも,かなりの制約がある。 ARGUS C3は,長く発売されていただけに,発売時期によって細部が異なっている。たとえば,ARGUS C3を7種類に区分しているWebページがある(*1)。そこでの分類によれば,私の手元にあるものは,「Coated Lens」「チャージレバーが黒」で,「フィルムメモがWESTON表記」だから,version 3rd (1946年〜1948年)に該当しそうだ。 標準レンズCINTARの描写も,たしかめておこう。 ARGUS C-3, COATED CINTAR 50mm F3.5, ACROS, ACROSENNAのレンズよりさらに安っぽく見えるレンズであるが,描写についてはENNAのレンズより好感がもてそうである。 ARGUS C-3, COATED CINTAR 50mm F3.5, ACROS, ACROS50mmレンズというものは,あんがいと被写体が近くに感じるものである。 ARGUS C-3, COATED CINTAR 50mm F3.5, ACROS, ACROSフィルムも残り少なくなったので,帰宅することにした。信号待ちのときに,最後の1コマを消費する。遠景のボケぐあいも,形が崩れ切っておらず,ほどほどでよい。 どことなく使いにくいので敬遠していたARGUS C3を,このたび久しぶりに使ってみたわけである。そして,思っていたほどには「使いにくくはない」という印象をもつことになった。使いにくいと感じているのは,これがARGUS C3だからではない。個人的に,この種のカメラを使うのが苦手なだけである。たぶん,その影響のほうが大きいだろう。
*1 Argus C3 (from the focal plane to infinity)
*2 BETRIEB (ENNA) |
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