撮影日記 |
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2019年09月01日(日) 天気:雨ときどき曇スタデラの歴史は深い「写真のうまい人」とは,どんな人だろう?いまは,スマートフォンでもボタンを押すだけできれいな写真を撮ることができるようになっている。だから,単にきれいにきっちりした写真を撮れるだけでは,「写真のうまい人」とはいわれない。それに対して昔は,まず,きれいな写真を撮ることそのものがむずかしかった。だから,ピントがきっちりあって,適切な露出を与えて,きれいなプリントが得られる人が,「写真のうまい人」とよばれていた。 電気露出計は,明るさの測定方法の違いから,大きく2つにわけることができる。 入射光式の露出計として代表的な製品に,セコニックのスタジオデラックスがある。 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,1966年版(vol.24)あたりから掲載されているL-28cというモデルから,スタジオデラックスという名称が使われている。この取り扱い説明書には,「入射光式であること」「光球を使用していること」などが特色として述べられている(*1)。 セコニック スタジオデラックス L-28c日本カメラショー「カメラ総合カタログ」1971年版(vol.41)あたりからは,L-28c2というモデルが掲載されるようになっている。見くらべたところ,絞りの目盛がF1〜F45だったのがF1〜F90に書きかえられたことくらいしか,違いがわからなかった。前年にくらべて大幅に価格が改定されている(本体7400円→本体11200円)ので,値上げのための方便としてモデルチェンジをしたのではないか,と思いたくなるくらいである。 セコニック スタジオデラックス L-28c2日本カメラショー「カメラ総合カタログ」1976年版(vol.56)あたりからは,L-398というモデルが掲載されるようになっている。大きな変更点として,ダイアルスケール中央のストッパーボタンを押して回すと,押しこんだ状態でボタンを固定できるようになった。指針が自由に動く状態が維持されるので,明るさの差を比較しやすくなっている。 このとき,L-28c2の価格は13,600円になっており,L-398は16,600円である。 セコニック スタジオデラックス L-398スタジオデラックスは,このように少しずつモデルチェンジされながら,現在も発売されている。日本カメラショー「カメラ総合カタログ」1990年版(vol.97)からは,スタジオデラックスII L-398Mというモデルが掲載されている。L-398からの変更点としては,メモ用設定指針が設けられたことや,ダイアルの感度表記がASAからISOになっていることなどがある。 スタジオデラックスの測光の特徴は,光球を使用していることである。 光球は,1940年にアメリカのD. Norwood氏が特許を得たものである。そして,これを利用した露出計NORWOOD Directorが発売された。 ノーウッド ディレクター model C (DIRECTOR PRODUCTS)model Dとされるものでは,表側の目盛部の表記がNORWOOD DIRECTORにかわってBROCKWAYになった。 ノーウッド ディレクター model S (BROCKWAY CAMERA)表にはBROCKWAYという名前が表示されているが,商品名はNORWOOD Director model Sである。発売元はBROCKWAY CAMERA CORPORATION NEW YORKであるが,製造は日本のセコニックという,じつに複雑な状況である。 今日,久しぶりに会った友人から受け取ったもののなかに,NORWOOD Director model Cとmodel Sが含まれていた。いつも貴重な資料をわけていただき,感謝に堪えない。
*1 スタジオデラックス L-28c 取扱説明書 (株式会社セコニック)
*2 スタジオデラックスIII L-398A (株式会社セコニック)
*3 Norwood Director (camera-wiki.org) |
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