撮影日記 |
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2019年05月26日(日) 天気:晴のち曇デジタルカメラでモノクロ画像富士フイルムが発売していたモノクロフィルム「ネオパン100 ACROS」の販売終了がアナウンスされて,1年以上がすぎた(2018年4月4日の日記を参照)。モノクロフィルムとしては,どこのお店でもほぼいつも店頭にあるなど,比較的安価で安定して入手できる貴重な存在だった。とにかく安定して入手できることから,もっぱらこのフィルムを使ってきたが,販売終了のアナウンスを受けて,使うことも少なくなった。今後,安定して入手できなくなるのなら,魅力は小さいものになる。 デジタルカメラでモノクロ画像を得るのは,簡単だ。カメラにモノクロ撮影モードがなくても,ふつうに撮影した画像を,フォトレタッチソフトウェアでグレースケールに変換すればよい。それだけで簡単に,それなりに整ったモノクロ画像が得られる。 Kodak DCS 460というデジタルカメラで撮影した画像は,独自の.tif形式のファイルに保存される。それを開くには専用のソフトウェアが必要(2019年4月9日の日記を参照)だが,拡張子を.rawに書き換えれば,Rawtherapeeというソフトウェアで開けるようになる(2016年1月17日の日記を参照)。 「白黒」という項目が存在していることには,気がついていたはずだ。しかし,ソフトウェア上でのモノクロ化に期待していなかったから,無視していたようなものだ。あらためて眺めてみると,おもしろそうな選択肢が用意されている。たとえば「プリセット」には,「パンクロマティック」「オルソクロマティック」や「赤外線」などがある。「パンクロマティック」や「オルソクロマティック」などを選んだときには,「カラーフィルター」に,「グリーン」「ブルー」や「レッド/イエロー」などの選択肢があらわれる。 Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8これを単純にグレースケール化したのもが,下の画像である。影になっている手が非常に暗く表現され,背景の葉が,やや明るくなっている。これは,明度を忠実に反映しているものだろうが,イメージとはあわない。 次の画像は,もとのカラー画像をRawtherapeeで開き,プリセットを「パンクロマティック」,カラーフィルターを「レッド」に設定し,モノクロ画像化したものである。このとき,ガンマ補正や露光補正なども調整している。 いくぶんか,期待通りのモノクロ画像ができあがった。 これは,おもしろそうである。もう少し,試してみよう。 Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8これが,もとのカラー画像である。 単純にグレースケール化したものである。このとき,トーンカーブは一般的なS字型に調整した。 単純にグレースケール化したときに,山が3つできるようにトーンカーブをいじると,ソラリゼーションっぽいものができる。これはこれで,おもしろい。 さらに,Rawtherapeeを使い,プリセットは「オルソクロマティック」,カラーフィルタは「レッド/イエロー」でモノクロ化したものである。これらは,おおむね期待したような画像になっている。だが,もともと「このシーンはモノクロで撮ってみよう」などと考えていたわけではないせいか,いまひとつ納得できる状態ではない。 単なる気分の問題にすぎないのかもしれないが,「このシーンはモノクロで撮ってみよう」と意識して撮るとどうなるだろうか。 Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8日没のころ,空は暗くなりはじめ,空は深い青色になっている。一方,手前の人物や路面は,人工の照明により明るく,かつやや緑カブリしている。 モノクロ化すれば,グラデーションがかっている空を背景に人物や路面が明るく浮き上がってくるだろうと予想した。空がじゅうぶんに暗くなるように調整をした結果は,ほぼ期待通りである。 |
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