撮影日記

2018年09月29日(土)　天気：雨

奇跡の再会

今日は終日，大阪で仕事である。あいにく，朝から雨が降っている。明日は，台風が西日本に大きく影響を及ぼすことが懸念されているが，今日のうちに新幹線が運転を見合わせることはなさそうである。
　9時ころに江坂駅で御堂筋線を下車し，陸橋を渡って仕事場へ向かう。雨が降っているので，カバンから傘を取り出す。カバンを左手にかけなおそうとしたとき，カバンのストラップが腕時計にひっかかった。カバンの重みで，腕時計のベルトが壊れ，落下した。
　落下の衝撃で，腕時計はケースからムーブメントが飛び出した。歩道橋の上には屋根があるものの，路面には薄く水もたまっている。あわてて拾い上げるが，少し濡れてしまったようだ。幸い，ムーブメントは止まることなく，時を刻む音が聞こえる。
　しかし，外れてしまったベルトのピンが見つからない。落下したあたりをじっくりと眺めるが，それらしき物体は見つからない。仕事前でもあり，人通りもそれなりにあるので，捜索はあきらめ，仕事場へ向かった。
　仕事が終わったら梅田のヨドバシカメラにでも立ち寄って，ベルトを買いかえることにした。

仕事を終え，江坂駅へ戻ってきたのは17時半を過ぎていた。
　階段をあがって陸橋の上に戻ってきたとき，その路面上のタイルの間に，違和感があった。
　そこには，落としてしまったベルトのピンが残っていたのである。

朝からの雨があがっており，路面が乾いていたせいで，見つかりやすくなっていたのだろう。また，雨が降っていたために，掃除もされていなかったものと思われる。ピンは，長さ約1cm，太さ約1mmという小さなものである。バネなどの機能も，失われていなかった。ときおり激しく雨が降ることもある人通りの少なくない通路に8時間以上も放置していた状態でありながら，一瞬で無事に見つけることができたのは，まさに奇跡的な再会ではないだろうか。