撮影日記


2018年08月24日(金) 天気:曇

IX-NIKKOR 30-60mm F4-5.6は使えない

MINOLTA VECTIS S-1とNikon PRONEA Sのセットを入手した。どちらも標準ズームレンズつきであり,なにせ安かったのである。

これらは,APSの一眼レフカメラである。
 APSカメラで使うIX240カートリッジフィルムは,2011年に販売の終了が発表されたので,あたらしいフィルムを入手することは,もうできない(2011年7月6日の日記を参照)。まだAPS用のフィルムを販売しているお店は存在するが,扱っているフィルムはすべて期限切れのものである。期限切れのフィルムを使う場合は,得られる画像の品質が劣化していることを覚悟しておく必要がある(2017年5月14日の日記を参照)。もちろん,保管状態がよければ,大きな問題なく使える。運よく状態のよいフィルムを入手した人には,現像のインフラが維持されているうちに,せいいっぱいAPSでの撮影を楽しんでいただきたい。
 残念ながら私は,状態のよい(と確信をもてる)フィルムを確保できていない。
 だから,このたび入手した,MINOLTA VECTIS S-1もNikon PRONEA Sも,どちらも使うつもりはない。
 入手した目的は,Nikon PRONEA Sに付属していた標準ズームレンズ,IX-NIKKOR 30-60mm F4-5.6である。これを入手したかったのである。

IX-NIKKORは,APS一眼レフカメラ「PRONEA」シリーズ専用のレンズとなっている。レンズマウントはほかの一眼レフカメラと共通のニコンFマウントだが,IX-NIKKORはマウントより後ろに大きくレンズが飛び出している。そのため,PRONEAを除いたニコンの一眼レフカメラに装着しても,ミラーがそこにあたって動かないので,撮影に使えないのである。
 …という話は聞いていたが,実際にどれくらいあたるのか,そして,まったく使えないのかは,自分で入手して確かめるしかない。
 昨年,PRONEA用の望遠ズームレンズであるIX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6を入手した(2017年8月22日の日記を参照)。たしかにそのままでは使えなかったが,後部のカバーを撤去することで,長焦点寄りの範囲では撮影に使えることが確認できた(2017年8月25日の日記を参照)。

そこで,標準ズームレンズでも同様に,使うことができないか期待したのである。もし使えるならば,きわめてコンパクトな標準ズームレンズとして,ディジタル一眼レフカメラとくみあわせて使いたい。

そこで,後部のカバーをはずして,まずはNikon D300に装着した。
 装着は,問題ない。オートフォーカスも動作するし,露出計も動いている。しかし,レリーズしても,なにも写っていない。FUJI FinePix S2 Proに装着しても,同様である。フィルムカメラであるNikon FMに装着し,裏蓋を開けた状態でレリーズするが,ミラーがまったく動いていない。
 カバーをはずしても,配線を保護していると思われる金属の板が,ミラーの動きを阻害しているようだ。
 このレンズはあまりにコンパクトなので,この板を撤去しても,配線をうまく逃がしてやることができそうにない。
 残念だが,IX-NIKKOR 30-60mm F4-5.6をディジタル一眼レフカメラで使うことは,あきらめよう。


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