2018年08月20日(月) 天気:晴
120フィルムは奇跡の存在
No.2 FOLDING AUTOGRAPHIC BROWNIEというカメラを入手した。
No.2 フォールディング オートグラフィック ブローニー
「ブローニー」カメラは,20世紀初頭から半ばにかけての時代に,アメリカのコダックが発売した,廉価なカメラのシリーズである。
さいしょのブローニーカメラは,1900年に発売されたボックスカメラとよばれる形態のもので,117フィルムを使って正方形の画像を写すものであった。ブローニーカメラとして発売されたものは,ボックスカメラ型のもののほかに,フォールディングカメラ型のものもあった。
ブローニーカメラとして多くの機種が発売されたが,その名称に「No.2」などの番号がついているものがある。これは使用するフィルムをあらわしており,No.1は117フィルム,No.2は120フィルム,No.2Aは116フィルムを使う,という具合だ。そのほか,127フィルムを使う機種,620フィルムを使う機種,616フィルムを使う機種なども発売されている。
中判カメラに使う120フィルムのことを「ブローニーフィルム」とよんでいる人も多いが,120フィルムだけが「ブローニー」ではないので,このよびかたは適切ではないと思う。また,120フィルムのブローニーカメラの画面サイズは6×9判に相当するので,6×9判のことを「ブローニー判」とよぶ人もあるようだ。
レンズボードをスライドさせることでピント調整が可能。
このたび入手したカメラは,名称にNo.2がついていることからわかるように,120フィルムを使うようになっている。
レンズボードをスライドさせることでピント調整はできるし,シャッター速度も選択の範囲は狭いが,変更できる。もちろん,絞りもじゅうぶんに変更できる。
シャッター速度は1/25秒,1/50秒,タイム,バルブを選択できる。
No.2 FOLDING AUTOGRAPHIC BROWNIEは,1915年から1926年という長期間にわたって発売されており,発売年によって細部が異なっている。入手したカメラは,BALL BEARING SHUTTERでシリアルナンバーが772162なので,1922年〜1923年ころに発売されたもののようである。(*1)
コダックは,はじめてのロールフィルムを発売して後,さまざまな大きさのロールフィルムを発売してきた。たぶんに,密着焼きでプリントをつくることが主流だっただろうころには,写真のサイズを大きくするにはフィルムの幅を広くするのが手っ取りばやかったのだろうと想像する。逆に,カメラをコンパクトにするには,フィルムの幅を狭くしたりスプール(軸)を細くしたりしてきたのだろう。
そのように多くの種類のロールフィルムが発売されてきたが,なぜか120フィルムは,現在でも主要な規格のフィルムの1つとして発売されている。
このカメラで使えるフィルムの入手が容易なのだから,実際に撮影に使ってみたいものである。シャッター速度も絞りも選択でき,ピント調整もできるのだから,きちんとあわせることができれば,きれいな写真を撮ることができるはずだ。実際に撮ってみる前にまず,全体の清掃などの手入れが必要ではあるが。
*1 No. 2 Folding Autographic Brownie (THE BROWNIE CAMERA PAGE)
→http://www.brownie-camera.com/83.shtml
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