撮影日記


2018年08月14日(火) 天気:はれ一時あめ

線香花火

夏といえば,花火を楽しみたい。大規模な花火大会もいいが,激しい人混みには近づきたくない。行くのはいい,見ているときに混雑しているのは,がまんできる。しかし,帰宅の道が大混雑というのだけは,どうしても避けたいものである。
 だから,自宅でひっそりと楽しむ花火もよい。花火そのものは,ささやかなものだが,自分のペースで至近距離で楽しむことができる。
 夕方,少し降った雨がやんだ。今日は,風もあまりない。

買ってきた花火のセットを開封し,1つづつ点火。
 あるいは,2つ,3ついっしょに点火。
 花火のセットにはかならず,線香花火というものが含まれている。これはさいごの,お楽しみ。
 パチパチと火花が飛び,やがて沈黙し,火の玉が少しずつ成長する。
 そして,その火の玉からパチパチと,火花が球状の空間に広がる。その絶対的な大きさは,ごく小さなものであるが,そこに無限に広がる宇宙が感じられるのである。

そんな線香花火のようすを撮ろうと思ったところ,残念ながら火の玉が落下。

Nikon D5000, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR

雨上がりのアスファルトは,まだじゅうぶんに濡れている。ロウソクの光が,地面に反射している。そこへ火花を伴った火の玉が落下すると,薄い水の膜に火花がはじけとぶ。
 パチパチと火花が広がる直前に,火の玉が落下したことは,残念なことであった。しかし,たまたま撮れたその瞬間は,夏の夜に見た淡い夢が,突然暴発したかのような,印象的な場面になったのである。


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