撮影日記


2017年03月17日(金) 天気:晴

SONY αNEX-C3とМИРで撮ってみーる

PENTAX K100Dを購入(2017年2月27日の日記を参照)し,さらにSONY αNEX-C3を購入(2017年3月5日の日記を参照)してしまったのは,M42マウントレンズをディジタルカメラで使ってみたいと思ったことにはじまる。Canon EOSでM42マウントレンズを使うマウントアダプタを買うつもりが,PENTAX K100Dを買ってしまった。KマウントのカメラでM42マウントレンズを使うマウントアダプタを買うつもりが,SONY αNEX-C3を買ってしまったのである。結局,ソニーのEマウントカメラでM42マウントレンズを使うマウントアダプタを購入できたので,ようやくM42マウントレンズをディジタルカメラで使えるようになった(2017年3月12日の日記を参照)。
 M42マウントレンズはあまりたくさん入手していないが,少ない中にクセの強そうなレンズもあるので,いろいろと試してみたい。

まずは,いわゆる「ロシアレンズ」(旧・ソビエト連邦およびその後に独立した諸国などで製造されていたレンズ)の1つである,МИР-1В 37mm F2.8を使うことにしよう。いわゆる「ロシアレンズ」では製造番号の上2桁が製造年をあらわすことが多いので,このレンズもそれに該当するならば2001年に製造されたものとなる。また,正確なことはわからないが,МИР-1В 37mm F2.8はVOMZ(ヴォログダ州にある工場)で製造されたものが多いようなので,このレンズはソ連崩壊後のロシア連邦で製造された,まさに「ロシアレンズ」ということになる。

37mmという焦点距離は中途半端に感じるかもしれないが,標準レンズよりはじゅうぶんに広角なレンズである。明るさはF2.8で欲張っておらず,それだけにコンパクトである。マウントアダプタを併用してSONY αNEX-C3に装着すると,ボディの大きさに対して長すぎるように感じるが,レンズの太さはちょうどよい具合である。
 SONY αNEX-C3の撮像素子はいわゆるAPS-Cサイズのものなので,37mmレンズを装着すると,ライカ判での55mmレンズくらいに相当する範囲が写るレンズとして使うことになる。標準レンズとしてはかなり暗めであるが,コンパクトで使いやすいレンズであることが期待される。しかし,最短撮影距離は0.7mで,これはとても残念な点である。

寄れないレンズなので,遠景を中心に試し撮りをしてみよう。

SONY αNEX-C3, MIR-1V 37mm F2.8

レンズの中心付近だけを使い,少し絞っているのだから,その描写が悪いはずがない。

SONY αNEX-C3, MIR-1V 37mm F2.8

それは,夜景であっても同じこと。
 しかし,強烈な光源が画面内にあるときは,さすがに耐えられない。

SONY αNEX-C3, MIR-1V 37mm F2.8

SONY αNEX-C3には,ファインダーはない。背面にある大きな液晶モニタには,つねに撮影レンズを通した像が映し出されている。これを見ながら,構図を決め,ピントを調整して撮影をおこなう。ファインダーを覗いて撮るというスタイルに慣れていると,このような撮り方になじむには少し時間がかかると思う。とくに,カメラを顔に押し当てて撮るというスタイルができないので,手ブレが心配になる。
 このモニタは上下にチルトさせることができるので,ややローアングルにしたりハイアングルにしたりしたときに,画面が見やすくなってよい。さらに上に90°までチルトさせると,ウエストレベルファインダーのような使い方もできる。そこで,二眼レフカメラを使うときと同様に,ストラップを首にかけてめいっぱいカメラで引っ張るようにすると,安定させることができる。ただし,実際のウエストレベルファインダーとは違って,左右逆像ではないので,構図を決めるにあたって少々,慣れが必要である。
 また,左右にはチルトしないので,カメラを縦位置にしたときにはこのような撮り方ができない。これは,残念な点である。
 ファインダーを覗いて撮るタイプのカメラとは違うので,いろいろ撮って慣れるしかない。

SONY αNEX-C3, MIR-1V 37mm F2.8

さて,МИР-1В 37mm F2.8の写りであるが,このように曲面がぬめっとした感じに写ってくれた。これならば,レンズに対して好印象を抱くことができる。それだけに,最短撮影距離が0.7mというのは残念だ。

なお,「МИР」は,携帯電話の電話番号のことではない。携帯電話会社を変更しても同じ電話番号を使うためのしくみは,「MNP」(エム・エヌ・ピー)だ。
 「МИР」はロシア語で「世界」を意味する単語で,この文字は「エム・イ・エル」となり,英語のアルファベットでは「MIR」に相当する。カタカナになおせば,「ミール」とするのが妥当だろうか。これは,ソ連が打ち上げて運用していた宇宙ステーションと同じ名前である。いわゆる「ロシアレンズ」には,宇宙に関係する名称がつけられているものが多い。すると,レンズの「МИР」は宇宙ステーションの名称にちなんだものかと思いがちだが,宇宙ステーションは1986年に打ち上げられているのに対し,レンズの「МИР」という名称はそれよりずっと以前から使われている。「МИР」という名称については,レンズのほうが先だろう。
 ともかく,これからも「МИР」でもっといろいろ撮ってみーるのであーる。


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