撮影日記


2015年07月10日(金) 天気:晴

フジフイルム,今年も値上げ!
そしてPROVIA400Xは消滅

フジフイルムから,写真フィルムの価格改定が発表された(*1)。平均して,20%の値上げになるというあたらしい価格は,今年(2015年)10月以降に適用されるとのことだ。値上げの対象になる製品は,次の通りである。

2015年10月に値上げが予定されているフィルム
名称 135 120 シート
一般用カラーネガ フジカラー 100
フジカラー SUPERIA PREMIUM 400
フジカラー SUPERIA X-TRA 400
フジカラー SUPERIA Venus 800
フジカラー NATURA 1600
プロ用カラーネガ フジカラー PRO 160 NS
フジカラー PRO 400 H
カラーポジ フジクローム Velvia50
フジクローム Velvia100
フジクローム PROVIA100F
モノクロ ネオパン 100 ACROS
レンズ付きフィルム 写ルンです シンプルエース
写ルンです New Water Proof

見ての通り,すべてのフィルムが値上げ対象になっているという状況だ。
 一般用カラーネガフィルムについては,感度ISO100のものからISO1600のものまであり,感度ISO400のものは2種類ある。フジカラー REALA ACEが廃番になった段階で,ラインアップの魅力が大きく減少したと感じた人も多かったと思うが,それでもまだ,用途に応じた使い分けも考えられる余裕がある。また,携帯電話機(ガラケーおよびスマホ)の契約数は1億件をこえており(*2)単純に考えればほぼ1人が1台の携帯電話機を所有していることになる。携帯電話機にはかなり高性能のディジタルカメラが内蔵されるようになっているが,そのような状況でありながら「写ルンです」がまだラインアップされていることに驚く。意外とフィルムの需要は,まだ残っているということだろうか。
 一方で,モノクロフィルムのラインアップは,すでにネオパン100 ACROSがただ1つあるのみとなっている(2014年2月28日の日記を参照)。ACROSに不満があるなど使い分けをしたいときは,コダックやイルフォードの製品を利用することになる。
 カラーポジフィルムでは,コダックのエクタクロームが生産終了になっているので,いまはフジフイルムの製品しか選択肢がない。値上げの対象は,ベルビアの50と100,そしてプロビアの100だ。プロビアの400は,値上げの対象外なのか?

 フジフイルムの発表では,あわせて,販売終了になる製品も示されている。
 それによると,「フジクローム PROVIA400X」は,135サイズの36枚撮りと120サイズが販売終了で,「今後のご使用推奨品」が「なし」である。フジクロームの感度ISO400のラインアップは,言いかえれば,カラーポジフィルムの感度ISO400のラインアップは,終了するということのようだ。出荷終了時期は,今年(2015年)12月が見込まれている。「どうしても使い続けたい人」が買いだめをおこなうだろうから,年内にはほぼ店頭で見かけられなくなるだろうと思われる。PROVIA400Xと同時に,PRO160NSやVelvia50,Velvia100の220フィルムも販売が終了になるようである。

ちなみに,私は「フジクローム PROVIA400X」を買いだめることはしない。もうずっと,私が使用するカラーポジフィルムは,感度ISO100のものばかりである。だから,いまさら感度ISO400のカラーポジフィルムを使うつもりはない。
 しかし,今のようにマミヤプレスをおもに使って写真を撮るようになりはじめたころには,むしろ感度ISO400のカラーポジフィルムを常用しようとしていたものだ。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 127mm F4.7, RHP (PROVIA 400)

1994年10月に,広島市内(比治山)で撮影したものである。このプレハブ物置は,広島市現代美術館で開催されていたインスタレーション(空間を構成する芸術)作品「プレファブリケーション・広島」を構成するオブジェの1つとして設置されていたものである。この作品を,職場の先輩の奥様が「モノーキズム」と呼んでいたとか,そういう話も思い出してしまった。
 マミヤプレスのような中判カメラをスナップ的に使おうと思えば,できるだけ絞りこんでかつ速いシャッター速度を使いたい。そうすると,感度ISO400が好都合に思われるものである。

Nikon FM, RHP (PROVIA 400)

1996年3月26に,深入山の駐車場あたりで撮影した「百武彗星」である。
 感度ISO400なら固定撮影でも,このような明るい天体ならば簡単に写ってくれるのだ。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, RHP (PROVIA 400)

三次市(当時は作木村)の常清滝に,はじめて訪れたころに撮ったものである(撮影日は,1995年11月19日)。このように太陽光のさしこまないような場所でも,感度ISO400であれば,シャッター速度や絞りの選択肢が広がる。ここしばらく,常清滝を訪れていないが,私が水ものを撮りたくなるようになったきっかけは,ここである。

その後,コダック「エクタクローム」のシリーズの色味のほうが好みであることがわかり,「フジクローム プロビア400」では影の部分が青くなりやすいと感じたこともあって,フジのカラーポジフィルムの使用をやめて,コダックのカラーポジフィルムを使うようになっていったのであった。
 「フジクローム プロビア400」のシリーズが終了するという知らせに接し,ずっと以前に撮ったフィルムを眺め返す夜である。

*1 写真フィルム 一部製品の価格改定および販売終了のご案内 (富士フイルムイメージングシステムズ株式会社)
http://ffis.fujifilm.co.jp/information/articlein_0040.html

*2 図表4-1-1-3 スマートフォンの契約数の推移・予測 (総務省 平成26年版 情報通信白書)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc141100.html


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