撮影日記


2015年06月08日(月) 天気:雨

「チェキ」フィルムをクラシックカメラで使える!
V.P.TENAXをもっと使おう

2015年6月3日の日記の続き。

アトム判(4.5cm×6cmの乾板)のカメラに「チェキ」フィルムが使えるらしいことを知ったので,さっそく試してみることにした。フィルムホルダの遮光が不十分でなかなかうまく写らなかったのだが,ようやくなんとかまともに写るようになった。
 露出計の出た目で露光したものであるが,もう少しハイキーで撮ってもよかったか。
 「チェキ」フィルムの感度はISO800で,かなりの高感度である。雨模様の日でも,けっして明るくないレンズであっても,じゅうぶんに撮影を楽しむことができる。むしろ,よく晴れた日の撮影のために,NDフィルタを携行しておくようにする必要があるだろう。

Vest Pocket TENAX, Dogmar 7.5cm F4.5, FUJI instax film

ではここで,「チェキ」フィルムをVest Pocket TENAXで使うための手順をまとめておく。

用意するもの

私は,乾板ホルダではなく,パックフィルム用のホルダを使用した。革に記されているロゴらしきものは,「C」「P」「G」を図案化したもののように思われるので,C.P.Goerz社のロゴではないかと想像する。そうであればこのホルダは,C.P.Goerzが供給した,V.P.TENAX用の純正ホルダということになるだろう。乾板ホルダとはピントの位置が違うようで,そのための補正レンズと思われるものにもC.P.Goerzのネームが入っている(2008年10月21日の日記を参照)。

パックフィルムは,このようなケース(「らくさ Sakura」と書いてあるのは,小西六の「さくらフィルム」のことだろう)に入っていたようだが,「チェキ」フィルムはこのケースには入らない。したがって,パックフィルムホルダに直接,つっこむことになる。

あらかじめ,スチレンボードをホルダと同じ長さで,幅は少し狭くして切る。そして,遮光用の革を貼ったものを用意しておく。

撮影後の現像処理には,「チェキ」カメラを使用する。ちゃんと動作する「チェキ」カメラを確保しておこう(2008年7月22日の日記を参照)。「チェキ」カメラのレンズには,黒いパーマセルテープを貼るなど,完全に遮光しておく。

フィルムの装填

チェンジバッグ内などの暗黒環境下で,「チェキ」フィルムのカートリッジからフィルムを抜き出し,V.P. TENAX用のホルダに入れる。
 「チェキ」フィルムを指で押し出して,フィルムを抜き出す。「チェキ」フィルムの露光面には指紋がつきにくいのだろうか,素手で触ってもあまり影響はなさそうに思われる。「チェキ」フィルムのカートリッジで,いちばんうえに入っているのは,遮光用の板である。フィルムを抜き出したあとは,遮光用の板をもどして「チェキ」カメラにセットしておけば,不用意に露光させてしまうこともない。

「チェキ」フィルムは,茶色い側が露光する面であり,白い面に写真ができる。白い面の縁に沿って,露光面が外側になるように折り目をつける。折る基準になる縁は,手さぐりでもじゅうぶんにわかる。

折るのは,上側(現像液の入っていない側)から半分すぎほどまでにする(不用意に現像液の入った部分を破いてしまわないため)。折り目をつけたら,折り目をつけた側をホルダに入れる。

あらかじめ用意しておいた,遮光用の革を貼ったスチレンボードでおさえる。

蓋をすれば,準備完了である。

撮影後の処理

撮影後は,チェンジバッグ内などの暗黒環境下で,「チェキ」フィルムのカートリッジにフィルムを戻す。
 このとき,露光面(茶色い側)が外になるようにすること。

フィルムに折り目がついているので,カートリッジに戻しにくい場合もあるだろう。そういうときは,遮光用の板を少しだけカートリッジから出す。それをガイドにすると,入れやすい。

カートリッジにフィルムを戻したら,「チェキ」カメラに装填する。
 「チェキ」フィルムを装填したら,「チェキ」カメラをチェンジバッグから取り出して,撮影動作をする。このとき,「チェキ」カメラのレンズは,完全に覆っておくこと。

「チェキ」カメラからフィルムが排出され,現像処理が自動的におこなわれる。

撮影を目的としない旅行や,出張などでも,中判カメラを使いたいときがあるだろう。ロールフィルムを使わないこの種のカメラは軽くコンパクトなのがうれしいが,現像環境がない場合にはどうしても使いにくいものである。だが,インスタントフィルムが使えれば,その問題は軽減される。いまでも安定して入手できる「チェキ」フィルムを活用するこの手順は,応用範囲が広いに違いない。各自の手元にあるいろいろなカメラでも,それぞれ工夫してみることをおすすめしたい。
 きっと,あらたな世界が開けることだろう。


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