撮影日記


2014年10月23日(木) 天気:晴

巨大黒点群を見よう
日食が終わっても「日食グラス」を捨ててはいけない

太陽の表面には,周囲よりも温度が低いために黒く見える部分があり,「黒点」とよばれる。発生した黒点はやがて消えるが,長いものだと1ヶ月くらい存在する場合もある。
 ただ,太陽の黒点を見ることは,そんなにお手軽にはできない。まず,太陽はとても明るく,日出時や日没時に地平線の近くにあるような場合を除けば,直視できるようなものではない。そして,黒点の見かけの大きさは,そんなに大きなものではない。小望遠鏡があれば見えるような大きさのものもあるが,望遠鏡で不用意に太陽を覗くことは,視力を失うなど目に重大なダメージを受ける行為である。
 ところがいくつかの黒点が接近して黒点群をつくることもあり,肉眼でもじゅうぶんに確認できる大きさのものになることもある。今週はじめに,そのような大きな黒点群が発生したという情報を得たが,今週前半は雨や曇り空で,太陽の姿を見ることができなかった。今朝は,久しぶりの晴天である。
 太陽を見るときには,じゅうぶんな減光が必要だ。太陽を見るためのフィルタやそれを利用したメガネも市販されているので,そのようなものを利用するべきである。2年前に,日本国内で金環日食が見られたことがあった(2012年5月21日の日記を参照)。そのときに「日食グラス」というものが,カメラ店や文具店,書店などでも売られていたことを覚えているだろうか。このときにかぎらずそれまでも,そこそこの規模の日食が見られる機会があるたびに,こういう道具が販売される。いちど買ったら,場所を決めてきちんと保管しておこう。そしてこういうときに,「日食グラス」(あるいは「日食メガネ」)を再利用するようにしよう。

さて,今回の黒点群はかなり大きなものなので,ふつうの視力があれば「日食グラス」を通して太陽を見たとき,太陽のまんなかのちょっと下あたりに小さな点があることがわかると思う。
 黒点の撮影は,日食を撮影したときの方法と同じようにしてできるはずだ(2009年7月23日の日記を参照)。500mm F8のレンズに2倍テレコンバータを併用して,1000mm F16のレンズとして撮影したのがこの画像となる。

Nikon D70, Reflex-NIKKOR 500mm F8 (new) with TC-200

太陽は自転しているため,来週末までには向こう側に回りこんで見えなくなるだろう。この大きな黒点群が消えずに残っていれば,1ヶ月後くらいにはこちら側に回って出てきて,ふたたび見ることができるはずだ。


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