撮影日記


2013年05月18日(土) 天気:はれ

鉄道の運行は正確である
可部線とアストラムライン 同時発車を撮る

東海道新幹線の1列車あたりの「遅れ」は,平均してわずか36秒とのことだ(*1)。自然災害の影響などで大幅な遅れが発生することもあるが(2005年12月18日の日記を参照),平成23年度に運転されたすべての列車で平均すると,わずか36秒になるという。列車の運行は15秒単位で管理されているそうだが,一般の利用者に対しては「分」単位で表示される。だから,遅れが36秒というのは,災害時を除けばほとんど遅れがないことを示していると言ってよいだろう。
 ところで,朝の通勤電車はしばしば遅延する。
 新幹線以上に列車が密に運転されることもあり,また,多くの人が乗り降りすることで,駅の停車時間が予定以上に長くなることもある。新幹線と違って踏切の多い路線であれば,事故による遅延も大いにあり得るし,可部線のような単線区間では,列車の待ち合わせがうまくいかなくなって,遅延がさらに拡大する。
 それでも多くの人にとっては,列車というものはほぼ決められた時刻にやってくるもの,という感覚をもっている。少なくともバスや路面電車にくらべれば,交通信号や交通渋滞の影響を受けないぶん,定時運行に有利である。

大町駅は,JR可部線のなかでは現在,もっともあたらしい駅である。この駅は,可部線とアストラムラインとが交差するところに,アストラムラインの開通にあわせて1994年に設置された。両者は立体交差しており,短い通路で結ばれているため,短時間で乗り換えが可能である。日中(10時ころ〜16時ころ),可部線はほぼ20分間隔(可部方面横川方面)で,アストラムラインはほぼ10分間隔(*2)で運転されている。可部線の横川方面行は02分からの20分間隔,可部方面行は07分からの20分間隔,アストラムラインの本通方面行きは09分からの10分間隔,広域公園前方面行は01分からの10分間隔というパターンが中心のようである。それに対し,朝や夕方のラッシュ時は運転本数が増え,早朝や深夜は運転本数が減ることから,パターンが不規則になってくる。
 こういう場所であれば,可部線の列車とアストラムラインの列車とが交差するところを撮影したくなる。大町駅の北側,安川の土手あたりからだと,可部線の大町駅にもアストラムラインの大町駅にも見通しがよい。

ここからだと,大町駅を南南西に見ることになる。だから,順光になって撮りやすいのは,早朝である。可部線の可部方面行きの発車時刻と,アストラムラインの本通方面行の発車時刻とを調べてみると,6時58分にチャンスがあることがわかった。しかもアストラムラインの6時58分発は,土曜日・休日限定である。

SONY DCR-TRV33K, Carl Zeiss Vario-Sonnar 3.7-37mm F1.8-2.0

同じ「6時58分発」ではあるが,可部線の発車時刻のほうが少し早いようである。おかげでちょうど,可部線の車両とアストラムラインの車両とが重なってくれた。このように「(ほぼ)同時発車」が多ければ,それだけ撮影できる機会も増えるわけだが,5分くらいずれているほうが乗り換えをする人にとっては都合がよいだろう。アストラムラインとJRとは,白島付近でも交差している。将来的にその交差地点にも乗り換えのできる駅が設けられる計画(*3)もあるようだが,そのときまではここ大町駅が,貴重な乗り換え駅ということになる。

*1 〈世界を驚かせた日本の技術〉12万本の平均遅延わずか36秒、驚異の運行続ける東海道新幹線 (msn 産経ニュース,2013年1月5日)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130105/biz13010507010002-n1.htm

*2 アストラムライン時刻表 (広島高速交通株式会社,2013年3月16日改正)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130105/biz13010507010002-n1.htm

*3 3月定例社長会見 (西日本旅客鉄道株式会社,2013年3月13日)
http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3464.html


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