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2025年11月08日(土) 天気:晴四天王寺での人形供養大阪にある生家の片づけを,少しずつ進めている。この家には,大きなケースに収めらた数体の人形が残されている。長いあいだお世話になってきたものだから,簡単には捨てられない。そこで,「人形供養」にお願いしようと考えた。毎年11月の第二土曜日に四天王寺において,「大阪府人形問屋協同組合」が主催で「人形供養祭」がおこなわれている。四天王寺なら行きやすい場所である。案内ページ(*1)によると「数個分程度」で3000円を納めてくださいとのことである。
複数の人形をまとめて人形供養にお願いしたいので,人形をケースから出してコンパクトな状態にしてつれていきたい。そのほか,ケースに入っていない人形なども含めると,かなりの数があることをあらためて認識させられることになった。
さて,ケースに収められているような人形は,単にそのなかに置かれているだけではない。台座に太い針金が差し込まれていて,その針金を芯として組み立てられている。つまり,厚い板に,しっかりと固定されているのである。この台が大きく重いので,つれていくためにはここからはずして,人形だけの状態にしたい。ところが,これをはずすのが一苦労である。結局は,台の裏側で曲げて固定されている針金を伸ばし,少しずつ抜くようにするのがよさそうであった。 このような大きな人形もあるので,大きめの箱にまとめることにした。それには,平成元年ころに買ったワープロ専用機の箱がちょうどよさそうであった。容積はじゅうぶんにありそうだが,なんとか抱えて地下鉄に乗ることもできそうな大きさである。買ったときは当然,配送してもらったわけだが,なかには「すぐに使ってみたい」からと,持ち帰った人もいたのではないだろうか。知らんけど。
なお,このワープロには少しばかり「だまされた」という印象がある。たとえば,これより前の機種では24ドット文字が一般的だったから,48ドット文字というのは大きなアピールポイントになる。しかし,この機種で48ドット文字になるのは12ポイントというやや大きめの文字サイズの場合であり,一般的な10.5ポイントというサイズの文字では40ドットになる。すると,文字を構成する縦と横の線の太さが歪になるなど,中途半端で美しくない文字になってしまう。なお,「24ドット文字」とは,縦24ドット×横24ドットで文字の形を構成しているフォントのことである。アウトラインフォントとは異なり,拡大をするとギザギザが目立つようになる。48ドットであれば少しは滑らかに見えるようになるが,縮小をすると文字の形が崩れたりする。 CASIOのワープロHW-2000Vへのよくない思い出は,これくらいにしておこう。
さて,引き続き家のなかを片づけていくと,予期せぬところからさらに数体の人形が出現してくる。その都度,心が折れそうになるが,ともかくこの箱にすべてをおさめることはできた。細かいものも含めて箱はほぼ満杯になったが,素材が紙のようなものも多く,全体としてもさほど重いものにはならなかった。結局,地下鉄に乗ることにはまったく支障なく,降りてから持ち運ぶのもたいして苦にはならなかった。 西大門から,四天王寺の境内に入る。ちょうど七五三のお詣りの時期であり,さらにこの日の午後には,西大門の横にある四天王寺高等学校の入試説明会が予定されていた(この学校,四天王寺のなかにあるのか!と驚いたようにつぶやく声も聞こえてきた)ようで,多くの人でにぎわっている。
箱ごと受け取っていただけたので,身軽になった。
まずは,人形ケースの枠を緩めながら板ガラスをはずし,とりあえず1枚の試し切りをする。ガラスカッターを使うのは久しぶりのことであったが,ともかく板ガラスを切り分けていけることは確認できた。
SONY α7, Tessar T* 45mm F2.8さて,あらためて境内を見回してみたところ,外国からの観光客と思われる人の姿が目立っていることに気がつく。そういう観光の人たちのなかには,デジタル一眼レフカメラと思われるものを使っている人も少なくない。観光地にカメラを持っていくのは,世界中共通のことなのであろう。そして「亀の池」には,ついついカメラを向けるようである。池のカメたちはあまり動かず,ほぼ甲羅干しをしているだけの状態であったけれども。そして,例の入試説明会へ向かう人や七五三のお詣りをしている人を除くと,そういう外国人が大半をしめているように見えるくらいであることに軽く驚く。とはいえ冷静に考えると四天王寺は,聖徳太子によって建立された「日本最古の寺」の1つとされているのだから,観光地として大いに注目を浴びてもおかしくない。ただ,ずっと身近にあったものだから,個人的にはそこまで注目されるような存在だと思っていなかっただけである。ときどき,YouTubeで配信をしているような人も姿もあるが,そういう人を含めても全体として極端に騒ぎ立てることもなく,お行儀はよさそうに見えていたものである。 ところで,すべての人形が,お焚き上げされるわけではない。このたび納められた人形のうちの数体だけが,みんなを代表してお焚き上げされる。また,抜魂式会場に並べられた人形も,ほんの少数である。そのほかの膨大な人形は「適切に処分される」と説明された。以前は,すべての人形を積み上げてお焚き上げしていたそうだが,たぶん数がだんだん増えてきたことや,消防などの面から,難しくなったのだろうと思われる。このあと場所を変えて抜魂式があり,すべてが終わったのは16時ころであった。
SONY α7, Tessar T* 45mm F2.8
*1 人形供養(大阪府人形問屋協同組合) |
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