撮影日記 |
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2024年12月20日(金) 天気:晴古いレンズとNikon D800いよいよ,年末である。いわゆる忘年会の季節であるとともに,ライトアップ,イルミネーションの季節である。せっかく街なかで出る用事ができたのだから,「ひろしまドリミネーション」(*1)を見に行ってみよう。今日も寒いので,ほんとうは,暖かいお店を出たらそのまま暖かい家に向かって帰りたいところなのであるけれど,ここでのひとふんばりがたいせつなはずである。 まずは,TAISEI-ROKUNAR 55-90mm F4というレンズである。耳慣れない銘のレンズであるが,タムロンのPZ-50(*2)というレンズである。ライカ判のカメラでは,50mmレンズが標準レンズとして扱われることが多く,50mmよりも長めのレンズが標準レンズとしてセット販売されることもあった。そう考えれば,いちおう標準レンズの域をカバーしたズームレンズということになる。ただ,ズーム比が1.6倍少々であり,50mmよりも広角側はまったくカバーしていない。こういうレンズを使っていると諸先輩方からはきっと,「足で稼げ」とご叱責をいただけることは間違いない。ここでいう「足で稼げ」とは,「ズーム操作に頼らずに,自分の足で移動して工夫しろ」ということである。この程度のズーム比であれば,自分が少し後ろに下がったり,被写体に近づいたりするだけでじゅうぶんであろう,ということである。とはいえ,このレンズの最短撮影距離は1.5mであり,一般的な標準レンズよりもずっと長い。だから,心を入れ替えて足で稼ごうにもたいして稼げなかったりする。結局は,わずかにトリミングができる程度と考えるのがよいかもしれない。 Nikon D800, TAISEI-ROKUNAR 55-90mm F41964年ごろに発売された古いズームレンズなので,「よくない写り」を期待して発光体に向けてみた。ところがこれが,思ったよりもまっとうな写りをするのである。一定の描写を確保するために,スペック的にもサイズ的にもまったく無理をしていないということだろうか。 つぎは,VEMARという銘のレンズで,28mm F3というものである。「LENS MADE IN JAPAN」という刻印があるので,日本製であることはたしかなのだろう。しかし,どこから発売されたレンズなのかを知る手がかりがない。「VEMARはコムラーが輸出用に使ったブランド」という説明を見たことがあるが,その根拠はとくに示されておらず,いまのところ裏づけもとれていない。28mmというとかなりの広角レンズであるが,開放F値がF2.8のものやF3.5のものはよくあるが,F3というスペックの製品は見かけない。実際にフィルムカメラで撮ってみたときには,周辺の描写が不安に感じられるものであった。しかし,ライカ判サイズより小さな撮像素子のデジタルカメラで使うと,その短所も目立たないものになる(2016年5月5日の日記を参照)。 Nikon D800, VEMAR 28mm F3Nikon D800の撮像素子はライカ判サイズなので,周辺の描写の不安さも楽しむことができるが,少し絞るとそれもあまり目立たないものになる。周辺まできれいに写るような高性能レンズとはいえないが,描写の破綻を楽しめるような個性の強いレンズというわけでもないようである。
*1 ひろしまドリミネーション (ひろしまライトアップ事業実行委員会事務局事業推進本部)
*2 タムロン 55-90mm F4 (株式会社タムロン) |
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