撮影日記 |
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2022年02月06(日) 天気:晴ときどき小雪佐和式露出計算尺の使い方昨年末に,いろいろな資料をご提供いただいた(2021年12月19日の日記を参照)。そのなかに含まれていた,戦前型の「関式サロン露出計」,戦後の「関式サロン露出計UB型」およびその説明書,「関式サロン露出計VA型」およびその説明書は,いずれお返ししなければならないものである。「関式サロン露出計」のさいしょのモデルが発売されたのは1938年ころのようであるが(2021年12月29日の日記を参照),それ以前にも計算盤式の露出計はさまざまなものが流通していたようである。さまざまな計算盤式露出計の例として貸していただいたもののなかに,「佐和式露出計算尺」というものも含まれていた 「佐和式露出計算尺」は,「関式サロン露出計」のような回転円盤型ではなく,計算尺のスタイルをしている。計算尺とは,数値が対数目盛に記されていて,掛け算や割り算を,足し算や引き算に置きかえられるような道具である。電子計算機が一般的ではなかった時代には,掛け算や割り算のほか,平方根や三角関数,対数などの計算をおこなうために使われていたとのことだが,わたし自身は計算尺というものを使ったことはない。 「佐和式」の「佐和」は,当時,写真やカメラ関係の執筆活動を盛んにしていた,佐和九郎氏の「佐和」である。佐和九郎氏といえば,シュミット商会の「降り懸かる火の粉は拂わねばならぬ」という小冊子を連想する人も,多いだろう。よく知られていることとは思うが,佐和九郎氏がK.K.K.というペンネームで,コンタックスをもちあげライカを貶した記事を書いたところ,ライカの代理店であったシュミット商会が,それに対する反論をまとめて発行したものである。 さて,わたしは「佐和式露出計算尺」はもちろん,ふつうの計算尺も使ったことがない。そのため,使い方がなかなかわからなかった。いろいろ試してみて,おそらくつぎのような使い方になるのだろう,という結論にたどり着いた。なお,「佐和式露出計算尺」では,係数という考え方が使われている。係数は,1大きくなると1段階暗くなり,1小さくなると1段階明るくなると考えればよい。 このようにして求めた値は,おおむね妥当なものと考えてよさそうだが,被写体の選択には慣れが必要かもしれない。
*1 ヘンミ計算尺の歴史と沿革 (ヘンミ計算尺株式会社) |
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