撮影日記 |
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2021年12月08日(水) 天気:晴種類が多いリコーDC-2シリーズ1995年3月に発売されたCASIO QV-10は,デジタルカメラが広く普及するきっかけになったとみなすことができる。すでに,さまざまなデジタルカメラが発売され,たとえば報道や広告などの業務に活用されていた。それらは,撮影した画像を処理するコンピュータまで含めると,一式が数100万円になるようなものであり,個人が趣味や遊びのために買えるほどのお手頃な存在ではなかった。それに対してCASIO QV-10のメーカー希望小売価格は6万5千円という大幅に安価なものになり,大ヒット商品になった。ヒットした理由としては価格面のほか,撮影した画像をすぐに確認できるカラー液晶モニタが内蔵されたという機能面も,大きく影響したと考えられている。また,撮影した画像データをパソコンに転送できる機能も設けられたが,この年の秋にWindows 95が発売され,画像を扱いやすい環境が整ったことも影響していると考えられている。CASIO QV-10は大きく注目され,2012年には国立科学博物館によって「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」の1つ(第00113号)に選ばれた(*1)。 1996年6月には,RICOH DC-2Lが発売された。しかし,カメラ本体に記された型番は「DC-2」であり,「L」がついていない。リコーのウェブサイトを参照すると,「DC-2V」「DC-2E」「DC-2S」という3つのバリエーションが掲載されているが,「DC-2」も「DC-2L」も掲載されていない。 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.113(1997年発行)では,DC-2L,DC-2V,DC-2Eが掲載されている。それぞれの説明文を読むと,DC-2Vは,DC-2Lに通信機能を付加したものであることがわかる。また,DC-2Eはレンズの望遠・広角切り替え機能などを割愛したシンプルなタイプであることがわかる。ただし,DC-2Lの本体があくまでもDC-2であることは,掲載されている写真等を含めても,読み取ることはできない。 リコーのウェブサイトの内容は,市販された機種の漏れがないようになっていてほしいものである。たとえば,RICOH DC-3Gという機種も,あいかわらず掲載されていない(2016年2月8日の日記を参照)。古い機種のことを紹介しても,メーカーさんにとってはとくにメリットがないのだろうとは思うけど。
*1 2012年度登録 「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」 (国立科学博物館)
*2 RICOHブランド デジタルカメラ生産終了製品 (リコーイメージング株式会社) |
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