撮影日記


2021年07月17日(土) 天気:雨のち曇

Kodak DCS 460 / 420 用のリモートレリーズをつくる

Kodak DCS 460(およびDCS 420)は,Nikon F90シリーズのカメラボディと組みあわせてデジタル一眼レフカメラを形づくるための,いわばデジタルバックである。ただし,デジタルバック部だけが単独で売られることはなく,Nikon F90シリーズのカメラボディと組み合わされた状態で,デジタル一眼レフカメラとして売られていた。あくまでも,デジタル一眼レフカメラとしての状態が,Kodak DCS 460,あるいはDCS 420として認識されているのである。
 Nikon F90シリーズのシャッターレリーズボタンには,ケーブルレリーズを接続するためのネジ穴がない。接写や長時間露光などで少しでも手ブレを防ぎたいときは,ケーブルレリーズのかわりに,専用のリモートコードをカメラの正面に向かって右側にある10ピンターミナルに接続して使用する。この10ピンターミナルには,電子手帳(あるいはパーソナルコンピュータ)に撮影データなどを転送して記録するための,専用ケーブルを接続することもできた。
 Kodak DCS 460 / 420では,デジタルバック部とカメラ部との接続に,この10ピンターミナルを利用している。

したがって,Kodak DCS 460 / 420では,リモートコードを使用することができない。シャッターレリーズボタンのネジ穴もないので,ケーブルレリーズを使用することもできない。取扱説明書には,背面に設けられている多目的コネクタに専用のリモートレリーズを接続できることが記載されているので,これを自作してみることにした。

多目的コネクタは専用のものではなく,汎用の「ミニDIN7ピン(5mm)」というものが使われている。Kodak DCS 460 / 420の多目的コネクタは,AC充電アダプタの接続にも使われる。電源として使うときはどのピンに接続すればよいかは,AC充電アダプタに記載されているのですぐにわかる。しかし,リモートレリーズとして使うときにはどのピンに接続すればよいのかは,取扱説明書にも記載されていない。だから,1つずつつないで,動きを確かめる。そうやって,シャッターレリーズの動作をさせるために短絡させればよいピンをつきとめた。
 つぎは,リモートレリーズの本体をどのようにするかを考えたい。適当な押しボタンスイッチとプラスチックケースを組みあわせてもよいのだが,それでは握り心地もよくないというものである。ちょうど,Nikon F-801などで使うためのリモートコードMC-12Aがあったので,それを利用することにした。

MC-12AをミニDIN7ピンコネクタにつなぐために,Nikon F-801のリモート端子を利用することにした。ジャンク品として入手したNikon F-801のうち,電池の腐蝕によるダメージが大きいものを部品取り用とした。ここからリモート端子部分だけを取り出し,ミニDIN7ピンコネクタとつなげば,Kodak DCS 460 /420の多目的コネクタと,MC-12Aを接続することができるようになる。

熱収縮チューブを使って仕上げれば,完成である。MC-12Aを利用したせいか,シャッターレリーズボタンの半押し動作にも対応している。これで,Kodak DCS 460 / 420を使っての接写が,より効率的におこなえるようになる。
 なお,ミニDIN7ピンコネクタをコネクタを入手するときには,ちょっとした注意が必要である。DINというからには一定の規格にもとづいているのだが,Kodak DCS 460 / 420で使われているものとは異なる,「非標準ミニDIN7ピン」というものもあり,それも同じ「ミニDIN7ピン」という名称で売られていることがある。そのタイプのコネクタもいろいろな場面で使われているようで,むしろそちらのほうが目立つように感じるくらいである。


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