2020年09月27日(日) 天気:はれ
VR機能が故障した
標準域をはさんでズーム比が4〜5倍程度のズームレンズは,なにかと便利である。広角側も望遠側も,使いたい焦点距離をほぼカバーしているし,ズーム比が10倍程度のいわゆる高倍率ズームレンズにくらべれば,画質の面でも無理をしているように感じない。そして,大きさ,重さ,価格など,すべて手ごろである。さらに,最近よくある手振れ補正機能を内蔵したものであれば,それ1本でかなりの場面に対応できることになる。このようなレンズを,わたしは個人的にこっそりと「横着ズーム」とよんでいる。ともかく,なにを撮るにも楽なのである。
そのような「横着ズーム」として,AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDというレンズを使っている。画質はそこそこだが,広角レンズとしてふだん使いにはじゅうぶんな24mmから,手持ちで雑に扱える望遠レンズとして無理のない120mmまでをカバーしている。そこに,「VR」と称する手ブレ補正機能を内蔵しているのだから,とにかく楽に使えるレンズなのである。
ところが,今日,このレンズを使おうとしたところ,ガリガリガリガリという異音がとまらない。ファインダーの像も,ガクガクガクガク揺れ続けている。
どうやら,VR機能が故障したらしい。
VR機能のスイッチをOFFにしても,とまらない。スイッチがONであろうとOFFであろうと,カメラの電源をONにしたときにリセットでもするのだろうか,どうしても動きはじめるのである。そして,ギアが摩耗でもしたのだろうか,いつまでも止まらないのである。
さあ,困ったぞ。
とりあえず,これ1本あればなんとかなる便利なレンズ,「横着ズーム」である。これがなければ困る,というわけでもないが,これがなければなにかと面倒である。
まず,修理を依頼するべきかどうか,考えた。おそらく,数万円かかるだろう。それならば,状態のよい中古品をさがすほうがよいのではないだろうか。ごく短時間のうちに,頭のなかではそういう結論に達した。だが,ごく短時間であっても,悩む必要などなかったのである。このレンズの修理は,すでに受け付けられていないのであった。
さて,中古品をさがすとして,同じレンズを買うべきだろうか?それが,いちばんよいとは思う。これまでと変わらない条件で撮影できるのだから。しかし,中古品を買ったところで,また遠くないうちにVR機能が故障するのではないか,という不安もある。
ニコンから発売された24-120mmのズームレンズとしては,AF Zoon-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6Dというものがさいしょのものだ。このレンズは,AF-S(レンズにピントリング駆動用のモーターが内蔵されたタイプ)のものではなく,ボディ側のモーターの動きをカプラがレンズに伝えてピントリングを動かすタイプのものである。そのような機構をもたない,最近の廉価版のデジタル一眼レフカメラでは,オートフォーカスが使えない。そのかわり,絞りリングがあるタイプのレンズなので,フィルムを使う一眼レフカメラでも問題なく使える。
とりあえず,これらのレンズがいくらくらいの価格になっているのか,「カメラのキタムラ」の「ネット中古」を参照した。いま使っているAF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDならば,17000円くらいからの値段がつけられているのに対し,AF Zoon-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6Dならば8000円くらいである。この際だから,使ったことのないレンズを買うのもおもしろそうである。しばらく考えてみることにした。
デジタルカメラで撮影したデータをプリントしてもらうために,近所の「カメラのキタムラ」を訪れた。訪れてしまうと,どうしても中古カメラのウィンドウを確認したくなる。するとそこには,2本のAF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDがあった。1本は17000円くらい,もう1本は8000円くらいである。
これはどういうことだろうか,店員さんに問うてみた。その回答は,「レンズ内のゴミのようなものが目立つ」「通常よりも傷みが激しい」とのことである。なるほど,光にかざしてみると,ぽつぽつしたものが目につく。これはもっぱら前玉にあるようで,将来,悪さをするようになるかもしれないが,いまのところ撮影への影響は少ないだろうと思われた。また,VR機能については,いまのところ元気である。この価格であれば,保護するしかないだろう。
なお,フードは失われていた。しかし,いま使っているものがあるから,問題ない。
さて,故障したほうのAF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDをどうするか。1つは,VR機能をなんとか強制的にOFFにすることで,VRなしのレンズとして使えるようにできないか,ということを模索したい。あるいは,Nikon F4やNikon F90X,すなわちKodak DCS 460など,AF-Sには対応しているがVR機能には対応していないカメラでもっぱら使うようにすることも考えられる。ただし,絞りリングのないレンズなので,プログラムAE(およびシャッター速度優先AE)専用レンズとして使うという割り切りも必要になる。絞り優先AEが実用にならないことは,個人的には物足りないのであるが。
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