撮影日記


2020年04月24日(金) 天気:晴

Nikon F-601には2種類ある

年が明けても仕事が忙しく,ずっとカメラもレンズも1つも買っていなかった。仕事が一段落し,ようやく今年はじめて買ったレンズが,先日の日記で紹介したTAMRON ZOOM 95-205mm F6.3である(2020年4月21日の日記を参照)。そして今日,今年はじめて買ったカメラが到着した。ジャンク扱いの一眼レフカメラが40台以上含まれたセットである。落札価格は20円ほどであったが,送料はその100倍くらいかかっている。
 そのなかに,ずっとさがしていた,Nikon F-601の後期モデルが含まれていた。

Nikon F-601そのものは珍しいカメラではないが,後期モデルを見かけることはあまりない。もっとも「後期モデル」というのは,私が勝手にそうよんでいるだけである。
 後期モデルの特徴として,ホットシューにフラッシュを固定するためのネジ穴が設けられている点がある。

私が知るかぎり,機能面での相違点は,ここだけである。
 そのほかの大きな違いとして,原産国の表示がある。多く見かけるNikon F-601では「MADE IN JAPAN」と表示されているが,後期モデルでは「MADE IN THAILAND」という表示になっている。

Nikon F-601は,オートフォーカスの一眼レフカメラとして,中級機として位置づけられるモデルであった。バリエーションとして,日付を写しこめる裏蓋が装着されているNikon F-601QDがある。
 Nikon F-601の上位機種としてラインアップされていたNikon F-801は,はじめて1/8000秒のシャッター速度が使えることを1つの大きなセールスポイントにしていた。また,裏蓋を,日付の写し込みができるデータバックや,オートブラケティング撮影やインターバル撮影などができるマルチコントロールバックに交換できる機能も用意されていた。それに対してNikon F-601は,シャッター速度の最速値が1/2000秒にとどまり,裏蓋も固定式になるなど,大きくスペックダウンしているが,オートブラケティング機能がはじめから用意されているなど,機能面で充実していたところもあった。ユーザインタフェースは,Nikon F-801と似ていたものだったので,併用する場合でも違和感はない。下位機種のNikon F-401と同じくフラッシュが内蔵されているが,Nikon F-401ではマニュアルフォーカス用レンズ使用時には露出計が動作しないという制約があったので,Nikon F601はマニュアルフォーカス用レンズが使えるフラッシュ内蔵機という面でも存在意義のあるカメラだった。
 その後,Nikon F-801の後継機として,Nikon F90が発売される。ユーザインタフェースの基本的なところは,Nikon F-801と同等のものだった。ところが,Nikon F-601の後継機に相当するNikon F70は,独特のユーザインタフェースをもち,Nikon F-801やNikon F90,Nikon F-601と併用しにくいカメラとなっていた。そのせいか,Nikon F-601は中古品の市場において,わりに強気な価格がつけられていた印象がある。

そんなNikon F-601の新品が,そのころとしては驚くほど安く売られていたことがあった。そのお店の店員さんによれば,「人気があるのでタイの工場で生産が続けられている」とのことだった。そして,「おもに外国からのお客さんが,ニコンのカメラが安い!と注目してくれるが,Made in Thailandの刻印を見ると,買うのをやめてしまう。性能も品質も同じなのにね。」と愚痴っぽく語っていた。

もし,あなたの手元にNikon F-601があったならば,中古カメラ店などでNikon F-601をみかけたならば,それが後期型であるかどうか,ちょっとだけ気にしてほしい。


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