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2020年04月21日(火) 天気:晴初期のズームレンズの写りはいかが?20世紀半ば以降のレンズであれば,サービスサイズ程度のプリントを得るための撮影には,ほとんど問題がないと感じている。Lomographyの製品の一部に見られるような,きちんと写らないことを目的とした製品を除けば,どうしようもなく写りのひどいレンズというものは,とくに単焦点レンズにはそうそう見られないものである。 1960年代前半における日本の各ブランドからのズームレンズの発売状況を,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」に記載された内容をもとにまとめると,つぎのようになる。
1961年ころまでは,ライカ判の一眼レフカメラ用のズームレンズをラインアップさせているのは,ニコンだけであった。1962年になると,ビューティ,タムロン,ミノルタもズームレンズをラインアップさせる。1964年までにはキヤノンやヤシカもズームレンズをラインアップさせるようになる。 ![]() ところが,マウントアダプタと思われる箇所を力いっぱいひねっても,そこがはずれそうにない。はずれるどころか,それ以上の無理な力を加えると,壊れてしまいそうな感触がある。そこにあった小さなネジをはずしてみても,そこにはTマウントらしきネジは見あたらない。このころのタムロンでは,まだTマウントを採用していなかったのだろうか? ![]() 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」に記載されている内容を確認してみるが,vol.9(1962年)では,マウントについてはなにも書かれていない。vol.12(1963年)では各マウントの価格が記載されており,マウントが交換式であること判断できる。1962年に発売された初期型はマウント固定式だったのが,1963年には改良されて交換式になったとでもいうのだろうか? ![]() インターネットオークションに,同型のレンズが複数出品されているので,それらの画像を観察した。そのなかの1つは,Tマウント交換式であることがはっきりと確認できるものであった。そして,シリアルナンバーは,私が入手したものよりも小さいものである。このことから,初期型はマウント固定式であり,途中で交換式に改良された,という可能性は消えた。 ![]() あらためて,入手したレンズを確認したところ,やはりこのレンズはTマウント交換式で間違っていなかったことがわかった。二重の構造になっているマウントアダプタのねじ込み部分が固着して動きにくくなっており,そのために空回りしそうになっていた感触が,それ以上の無理な力を加えると壊れてしまいそうな感触につながっていたのであった。 ![]() 無事に,ニコンFマウント用のマウントアダプタを装着できたので,さっそく試し撮りをする。 ![]() Kodak DCS Pro 14n, TAMRON 95-205mm F6.3外見からは,「きれいに写りそう」というイメージがわかないレンズであるが,実際に撮ってみると予想以上にまっとうに写る。 ![]() Kodak DCS Pro 14n, TAMRON 95-205mm F6.3ボケた部分の崩れ具合も,思ったよりすなおである。人の姿や服装などが,じゅうぶんに判別できる。このような写りは,とても好ましく感じる。 ![]() Kodak DCS Pro 14n, TAMRON 95-205mm F6.3ただ,背景がぐるんぐるんになる傾向が見えるので,撮り方によっては背景がうるさくなる懸念はある。また,開放F6.3と暗いため,とくに遠景を撮るときは,ピントの山がわかりにくい。最短撮影距離は1.8mとかなり遠めで,いざというときに被写体に寄れない点は,扱いにくい。 ![]() Kodak DCS Pro 14n, TAMRON 95-205mm F6.3ズーミング(焦点距離の変更)は直進式で,ピント調整は前玉回転式である。いまとなってはさすがに古さを感じるレンズであるが,その写りは思っていた以上にまっとうなものであった。市販されたごく初期のズームレンズの写りを,ぜひご自身の目でも確認してみていただきたい。うまくいけば,かなり安価に見つけることもできそうである。 |
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