撮影日記


2019年11月01日(金) 天気:晴

復活しない沈下橋

増水時には水面下に沈んでしまうような構造の橋は,沈下橋とよばれる。広島県東部を流れる芦田川には,多数の沈下橋が使われていることが知られている。しかし,2018年7月の豪雨災害によって,その大半が壊れてしまった(2019年4月25日の日記を参照)。そのうち,府中市内に位置する落合大橋と鴨谷橋は,撤去する方針が固まったとのことである(*1)。

役所の関係する用事が発生し,今日の午後が指定されたため,休暇をとって府中市に向かった。県庁も市役所もかかわってはいるが,豪雨災害や沈下橋と関係する用事ではない。用事が済んだのは,15時を大きく過ぎたころ。真夏であればまだまだ太陽の位置が高い時刻であるが,今日から11月。しかも,山間部であるから,まもなく地面は陰ってくる。
 撤去する方針が固まった鴨谷橋は,この春に撮ったものの,ムラが生じるなど失敗した。まだ,空に明るさが残っているうちに,撮りなおしておきたい。

用事のあったころはよく晴れていた空に,うっすらと雲が広がりはじめている。太陽は,まもなく山に隠れようとしている。全体に明るさが低下しつつあるが,うっすらと曇ることで,明暗差がおさえられるのは,好都合といえる。
 今日はムラが生じることはなかったが,端がすこしカブってしまった。なかなか,すっきりとは撮れないものである。

OKUHARA Camera, FUJINON 180mm F5.6, FUJIBRO WP FM2 (F22, 4sec), Microfine 1:2, 20℃, 240sec

四切1/2判で180mmレンズは,かなりの広角レンズになる。だから通行止めのバリケードに,ぐぐっと接近してみよう。

OKUHARA Camera, FUJINON 180mm F5.6, FUJIBRO WP FM2 (F22, 4sec), Microfine 1:2, 20℃, 240sec

さらなる迫力を求めて,REPROMASTER 135mm F8でも撮る。REPROMASTERは,AGFAが発売した引き伸ばし用レンズである。引き伸ばし用レンズとして使うときは,11×14判をカバーするとのことだが,撮影用レンズとして使うとなると,6×10判である四切1/2判もじゅうぶんにはカバーできない(2018年9月11日の日記を参照)。無限遠での撮影は無理でも,接写であればケラレも目立たない(2018年10月21日の日記を参照)ので,通行止めのバリケードにさらに近づいた。

OKUHARA Camera, REPROMASTER 135mm F8, FUJIBRO WP FM2 (F22, 5sec), Microfine 1:2, 20℃, 240sec

無限遠で撮るときにくらべればケラレはかなり小さいが,この距離でもまだ,ケラレが見られる。ケラレがない撮影をしようと思えば,ピントの位置が1mくらいになるまで,被写体に接近する必要がありそうだ。この構図ではさいわい,下側の両端がちょうど茂みに重なって見えにくくなっているので,ケラレがあまり目立っていない。
 REPROMASTER 135mm F8でケラレない写真を撮るためにも,広角レンズの迫力を活かすためにも,もっともっと接近して撮るべきであるというのが,今日の結論だ。

*1 芦田川 2潜水橋を撤去 広島県府中市方針 生活道 住民へ説明 西日本豪雨で一部流失 復旧断念 (中国新聞デジタル,2019.07.31 朝刊 ワイド備後)
https://dbs.g-search.or.jp/aps/QCGT/main.jsp?ssid=20191108150321094gsh-ap04


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