撮影日記


2019年07月15日(月) 天気:晴

ハンザキヤノンの発売元は…

かなり古い本であるが,おもしろそうなものを見つけたので,買ってみた。

「この博物館が見たい!」(桑原茂夫著,ちくま新書,2005年)である。
 全国各地の,特色ある「博物館」を紹介している。1つ1つの紹介は,簡潔で特徴をまとめており,とても妥当なものだと思う。
 ところが,はじめの数ページを読んだだけで,用語の使いかたにかすかな違和感が頻出するのである。
 たとえば1つめに紹介されているのは,「久慈琥珀博物館」。この解説のなかで羽毛入りのコハクについて,「考古学的にも大きな価値を持つ」としている。重要な視点であるが,この場合は「考古学」ではなく,「古生物学」の視点になるべきだ。もう少しざっくりした言い方にするとしても,むしろ「地質学」になるだろう。

さて,この書籍を購入することにしたのは,「日本カメラ博物館」も紹介されているからだ。そこには貴重なカメラが歴史を追って収蔵されていることが紹介されている。具体的な例として,ジルー・ダゲレオタイプカメラの実物があることを紹介したり,日本の歴史的なカメラとして精機光学の「ハンザキヤノン」を紹介していたりする。「精機光学」を現在の「キヤノン」と表記するなど,「キャノン」と誤って表記していないところには,読んでいて安心感がある。そのいっぽうで,ハンザキヤノンは「当時カメラ専門店として知られた大宮写真用品のブランドを」と書かれている。
 大宮写真用品?そういうブランドがあったとは,聞いたことがないよ。
 って,…大宮? おおみや? あ,あ,近江屋か!

このように,妙にアラが気になるけれど,全体としてとても興味深く,よい内容の本だと思ったのである。


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