2018年10月21日(日) 天気:晴
続・REPROMASTER 135mm F8は 「四つ切1/2」の撮影に使えるのか?
昨年,REPROMASTER 135m F8というレンズを入手した(2017年5月27日の日記を参照)。「W.Germany」と記されているので,西ドイツ製であることはわかる。また,その形状などから,製版用レンズあるいは引き伸ばし用レンズであろうと考えられるが,詳しいことはわからずにいた。その後,この日記を読んでくださっている方などからの情報提供で,「AGFAが発売した,引き伸ばしレンズ」であることがはっきりした。情報提供に,深く感謝している。(*1)
このレンズは,11×14判などかなり大きなフォーマットをカバーできそうであることが,断片的に伝わってきていた。そこで,四つ切1/2判での撮影に使えるかどうか試してみたが,イメージサークルが小さくて画面が大きくケラレたものになった(2018年9月11日の日記を参照)。
それでは,なぜ11×14判がカバーできる,という情報が流れていたのか?これは本来,引き伸ばしレンズである。引き伸ばし用途であれば,11×14判をカバーするのであろう。それならば,ごく近距離にピントをあわせれば,大きな判でもケラレずにカバーできるはずだ。たしかめるには,実際に撮ってみるのが確実である。今朝は,久しぶりにすっきり晴れた休日である。
Okuhara camera, REPROMASTER 135mm F8, FUJIBRO WP FM2
幹の途中で伐採されている木を,見上げて撮ったものである。
ピントをあわせた小枝は,カメラから1mたらずくらいの位置にあるものだ。ともかく,ピントの位置が1m程度であれば,REPROMASTER 135m F8は,四つ切1/2判でもケラレることがないようだ。
主となる被写体が至近距離にある場合にかぎられるが,四つ切1/2判用の超広角レンズが手に入ったことになった。四つ切1/2判はやや細長いフォーマット(6インチ×10インチ)だから,パノラマ写真のような印象を受ける。だから,超広角レンズとの相性は悪くないだろう。そして,超広角レンズを雑に使うと間延びしただけの画面になるから,どのみち手前になんらかのアクセントになるものを配置したい。使える場面は,案外にありそうな気がする。
今日は,ほかにも試し撮りをおこなったレンズがある。
四つ切1/2判でも使えそうなもので,210mmレンズよりも短焦点のものを2種類,貸していただけた。
1つは,FUJINON W 180m F5.6 (COPALシャッター)である。これまで使っていたFUJINON 210mm F5.6 (COPALシャッター)と同じようなスペックのレンズであり,とくに問題なく撮影ができた。
Okuhara camera, FUJINON W 180mm F5.6, FUJIBRO WP FM2
もう1つは,FUJINON SW 120mm F8 (SEIKOシャッター)である。これが実用になるならば,そうとうな超広角レンズとして撮影できる。
ところがこのレンズを使うには,少しばかりの工夫が必要になる。
なにせ,焦点距離が短いのである。ところがフロント部を目いっぱい下げても,まだピントがあわない。これは,四つ切1/2で撮影するためのバックアダプタにそれなりの厚みがあることが原因である。したがってイレギュラーな使い方になるが,フロント部のたすきをずらして,無理やりに下げるしかないのである。
レンズボードは,フロントスタンドと一体化した状態で,垂直に立てるのが,本来の使い方である。
フロントスタンドを少し後ろに倒し,レンズボードをフロントスタンドから浮かせ, フィルム面と平行になるようにネジで止める。これで,さらに1〜2cmほど蛇腹を縮められる。
そして,FUJINON SE 120mm F8は期待通りに,ケラレることなく,四つ切1/2判に像を結んだのであった。
Okuhara camera, FUJINON W 120mm F8, FUJIBRO WP FM2
四つ切1/2判で,さらに広角レンズでの撮影ができるようになった。晴れる日が続くようになったら,いろいろと撮っていきたいものである。とくに,FUJINON W 180mm F5.6とFUJINON SW 120mm F8は,いずれ返却しなければならない。
*1 charrette / new product supplement 1985
→https://web.archive.org/web/20160307003330/http://nladams.com/ch_supp.pdf
※Internet Archives
※PDFの4枚目(ページノンブル10)参照。
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