2018年10月20日(土) 天気:晴
YONGNUOって?Made in Chinaのニコン用40mmレンズ
TAMRON SP 45mm F1.8というレンズの存在を知って,あらためてニコン用の標準レンズが気になりはじめた。大きさにこだわるか,焦点距離にこだわるか。マニュアルフォーカスで使うことも意識するか,オートフォーカスあるいはディジタル一眼レフカメラでの使用を中心に考えるか。どれも,一長一短,即決はできない。全部買ってしまえば話は早いが,1つ1つはあまり高価でなくても,まとめるとそれなりの金額になる。また,そういう買い方は味気ない。
ともあれ価格も,どれを購入するか選択するための重要な要素である。
ここで,各レンズの特徴などを整理してみよう。
製品 |
価格(万円) |
特徴 |
特記 |
新品 |
中古 |
AF |
絞り |
大きさ |
Nikon GN Auto NIKKOR 45mm F2.8 |
|
2〜3 |
|
〇 |
小さい |
非Ai。AF機ではほぼ使えない。 |
Nikon Ai NIKKOR 45mm F2.8P |
|
4 |
|
〇 |
小さい |
AFはできないが,AF機でもMF機でも使いやすい。 |
COSINA ULTRON 40mm F2 SL IIS |
5 |
3〜4 |
|
〇 |
小さい |
AFはできないが,AF機でもMF機でも使いやすい。 |
Nikon AF NIKKOR 50mm F1.8D |
2 |
1〜1.5 |
〇 |
〇 |
やや小 |
AF機でもMF機でも使いやすい。 |
Nikon AF-S NIKKOR 50mm F1.8G |
2.5〜3 |
1.5〜2 |
● |
|
やや大 |
MF機ではほぼ使えない。 レンズ内モーターAF。 |
TAMRON SP 45mm F1.8 Di VC USD |
5〜6 |
3〜4 |
● |
|
やや大 |
MF機ではほぼ使えない。 レンズ内モーターAF。 |
当然ながら,どれを選んでも,1本であらゆる用途を満たせそうにはない。だから,なんらかの割り切りが必要だ。1つずつ,吟味をする。
GN Auto NIKKOR 45mm F2.8は非Aiタイプのレンズなので,オートフォーカス一眼レフカメラには,そもそも装着できない場合が多い。このレンズは,候補から脱落である。
Ai NIKKOR 45mm F2.8Pは,マニュアルフォーカス用のレンズであり,オートフォーカス撮影はできない。また,中古品しか入手できず,その価格も4万円程度になり,いささか高く感じる。
ただし,Pタイプという特殊なレンズなので,オートフォーカス一眼レフカメラやディジタル一眼レフカメラでも,露出関係はとくに問題なく使用できる。どちらもOKなレンズだ。
COSINAのULTRON 40mm F2もマニュアルフォーカス用のレンズであり,オートフォーカス撮影はできない。F2という明るさが魅力である。電気接点が設けられており,オートフォーカス一眼レフカメラやディジタル一眼レフカメラでも,露出関係はとくに問題なく使用できる。
AF NIKKOR 50mm F1.8Dも,どちらもOKなレンズである。価格もお手軽である点も,うれしい。ただ,できれば焦点距離が45mm程度のレンズがほしいところである。オートフォーカス用でなければ,すでに50oレンズはいろいろと入手している。また,Nikon D5000など最近のエントリークラスのディジタル一眼レフカメラでは,オートフォーカスがはたらかないようになっている。
AF-S NIKKOR 50mm F1.8Gは,絞りリングがないのでマニュアルフォーカス一眼レフカメラではほぼ使用できない。しかし価格はお手軽であり,オートフォーカスの性能もよさそうだから,オートフォーカス一眼レフカメラやディジタル一眼レフカメラでの使用を中心に考えれば大いに魅力的である。ただ,やや大きいことが気になる。
TAMRON SP 45mm F1.8 Di VC USDは,とても魅力的なレンズである。いまいちばん使ってみたい,45mmという焦点距離のレンズである。そして,ほかの45mmレンズにくらべて明るい,F1.8という大口径レンズである。ボケ味なども美しそうで,まさに使ってみたいレンズだ。ただ,販売価格がやや高めであること,やや大きなレンズであることが気になる。
AF NIKKOR 50mm F1.8Dは,安いが,それ以外の魅力が乏しい。AF-S NIKKOR 50mm F1.8Gは,あたらしいことが魅力だが,どうせなら45mmレンズを使いたい。TAMRON SP 45mm F1.8はやや高価なことを除けば魅力的だが,最短撮影距離がやや物足りない。いや,最短撮影距離は0.29mで最大撮影倍率は1:3.4だから,標準レンズとしてはじゅうぶんなものがある。これは使ってみたいと思えるレンズなので,このくらいの価格であれば問題ない。
しかしこのシリーズにはTAMRON SP 35mm F1.8というものがあり,最短撮影距離は0.2mで最大撮影倍率は1:2.5となっており,さらに楽しめそうなのである。広角レンズでの接写なんて,楽しそうではないか。このシリーズのレンズを買うならば,45mmにすべきか,35mmすべきか,大いに迷う。スペック上は,35mmのほうが魅力的だ。だがいまは,35mmの広角レンズではなく,45mm程度の標準レンズがほしいのである。さすがに,いちどに両方まとめて買うような勇気はない。
ともかく,どれを選択するか決めかねていた。もちろん,こういうときがいちばん楽しいのである。
それでもどれかを買う方向で,価格を調べる。ヨドバシ.comあたりで新品を買うのがよいか,キタムラのネット中古で中古品を中心にさがすのがよいか。あるいは近場のお店の価格も調べるべきか,通信販売をおこなっているそれ以外のお店も調べるべきか。
amazonでの価格を調べているときに,おもしろそうなレンズが見つかった。
YN 50mm F1.8という,ニコンの一眼レフカメラ用レンズである。価格は9000円ほど。安い,安いが,なんだこれは?仕様を見てみると,レンズ内モーター式のオートフォーカスレンズである。オートフォーカスの動作は,ニコン純正のAF-Sレンズにくらべると遅いらしい。また,オートフォーカス中にそのままマニュアルフォーカスができるという仕様にはなっていない。まあ,AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VRのような,廉価版レンズくらいの性能だろうか。
YN 50mm F1.8の発売元は,YONGNUOというChinaの企業のようである(*1)。この名前で検索すると,ほかにも何種類かのレンズを発売していることがわかった。
そのなかに,YN 40mm F2.8というレンズがあった(*2)。
これも,ニコン用のオートフォーカスレンズである。APS-Cサイズセンサのディジタル一眼レフカメラ専用の仕様ではなく,ライカ判サイズセンサにも対応しているとのこと。
しかも価格は,1万円ほどと魅力的なものである。
レンズを買おうとしているときに,ともかく安価な製品を見つけてしまったのである。
ニコンの純正品にはない,40mmという焦点距離だ。
40mmならば,APS-CサイズセンサのNikon D5000でも,標準レンズのかわりに使えそうだ。そうすれば,かなり小型で軽量なセットになるだろう。
財布のひもが緩んでいる状態だから,そのままの勢いで注文をしていた。そして,注文の翌日には無事に受け取ることができた。
化粧箱に記載された文字に,ふだん見慣れない中国語が含まれていることには違和感がある。中身のレンズが軽いのだから,開封前の箱も驚くほど軽く感じる。
このレンズには,お世辞にも高級感はない。値段なりのもの,とでも言えばよいか。それでも,使っていて壊れてしまいそうな不安など感じることもない。高級品ではないが,いたってまっとうな製品である。安っぽく感じるのは,そのあまりにもの軽さのためだろう。
少々残念なことは,取扱説明書が,中国語表記と英語表記のみであることだ。ふだんでも読むのが面倒な,取扱説明書。日本語で書いていないのであれば,なおさら読む気にはならない。
手元にあった,Nikon D5000に装着してみた。コンパクトで軽量な一眼レフカメラの完成である。軽く弄ってみたところでは,動作に問題なさそうである。
さてこのレンズ,「いいもの,見つけた」となるか「安物買いの銭失い」となるか。
製品 |
価格(万円) |
特徴 |
特記 |
新品 |
中古 |
AF |
絞り |
大きさ |
Nikon GN Auto NIKKOR 45mm F2.8 |
|
2〜3 |
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〇 |
小さい |
非Ai。AF機ではほぼ使えない。 |
Nikon Ai NIKKOR 45mm F2.8P |
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4 |
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〇 |
小さい |
AFはできないが,AF機でもMF機でも使いやすい。 |
COSINA ULTRON 40mm F2 SL IIS |
5 |
3〜4 |
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〇 |
小さい |
AFはできないが,AF機でもMF機でも使いやすい。 |
Nikon AF NIKKOR 50mm F1.8D |
2 |
1〜1.5 |
〇 |
〇 |
やや小 |
AF機でもMF機でも使いやすい。 |
Nikon AF-S NIKKOR 50mm F1.8G |
2.5〜3 |
1.5〜2 |
● |
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やや大 |
MF機ではほぼ使えない。 レンズ内モーターAF。 |
TAMRON SP 45mm F1.8 Di VC USD |
5〜6 |
3〜4 |
● |
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やや大 |
MF機ではほぼ使えない。 レンズ内モーターAF。 |
YONGNUO YN 40mm F2.8 |
1 |
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● |
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やや小 |
MF機ではほぼ使えない。 レンズ内モーターAF。 |
なお,このレンズは2018年のCP+で,新製品として紹介されていたとのことだ(*3)。
*1 永諾撮影器材株式会社
→http://www.yongnuo.jp/
*2 YN40mm F2.8N 単焦点レンズ ニコン Fマウント (永諾撮影器材株式会社)
→http://www.yongnuo.jp/index.php?route=product/product&path=74_75_77&product_id=104
*3 イベントレポート【CP+】新興レンズブランドのマニアックな世界 (インプレス デジカメWatch)
→https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/eventreport/1109858.html
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