2018年09月01日(土) 天気:曇
ついに出会えた 長いパン棒
八百富写真機店の大阪駅中央店で,20年以上探し求めていたものに出会った。
それは,ジャンクコーナーの最下段で,モノレール型大判カメラなどの間に並んでいた。
それは,スリック マスターの雲台である。
スリック マスターの雲台など,珍しくもなんともないじゃないか?と思う人もあるだろう。
スリック マスターの雲台など,新品でいくらでも買えるんじゃないか?と思う人もあるだろう。
スリック マスターは,ロングセラーの中型三脚である。
その雲台に特徴があり,パン棒が1本だけである。よくある3ウェイ雲台のように,縦位置への変更が簡単ではないが,1本のパン棒をひねって緩めるだけで,上下左右に自由にカメラを振ることができ,そのまま逆にひねれば固定される。自由雲台にも似たところがあるが,自由雲台と違ってパン棒が使える。パン棒の先をもって動かせば,カメラを直接さわって動かすよりも,狙いを細かく調整しやすい。パン棒を大きく動かしても,カメラは少ししか動かないわけだ。
私は20年以上前からずっと,スリック マスターを使ってきた。
しかし,常清滝を撮影しているときに,パン棒が折れてしまったのである。やむをえず,三次市内の「カメラのサエダ」で手ごろな三脚をさがした。そこにはたまたまスリック マスターがなく,店員さんにすすめられて購入したものが,ARUKAS erde-3065という自由雲台だった。以来,スリック マスターの脚とARUKAS erde-3065をくみあわせて使っている。
その後しばらくしてから,パン棒だけを買うことができないかとスリックに問い合わせたことがある。結論は,当然「可能」である。念のために,サイズを確認して驚いた。
パン棒が,ずいぶんと短くなっていたのである。
確認すると,スリック マスターの初期のころはパン棒が長かったが,後にマイナーチェンジでパン棒が短くなったという。そしてその当時はすでに,長いパン棒は,部品として在庫がなかったとのこと。
残念であるが,パン棒だけを取り寄せることはやめた。そのかわり,というわけではないが,より大型のスリック ザ・プロフェッショナルを購入することにした。
スリック マスターは,ARUKAS erde-3065との組みあわせで,使い続けることにした。
だが,20年以上という長いあいだ見ていなくても,愛用していた道具というものは見ればわかるということのようだ。雲台の外見はかなり傷んでいるが,動きはスムースである。私としてはパン棒さえ問題なければ,それでよい。
長いパン棒での操作は,やはり快適だ。だがしかし,ARUKAS erde-3065もすっかり私の手になじんでいる。組みあわせるのに手ごろな脚が見つかるまでは,気分や目的によって,自由雲台をフリーターン雲台とをつけかえながら使うことになるだろう。
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