撮影日記


2018年06月12日(火) 天気:晴

スキャナが故障するととても困るのである
GT-9700FからGT-9800Fへ

撮影したフィルムの画像をディジタル化するときには,イメージスキャナを使う。
 私は,ずっと以前に購入したEPSON GT-9700Fという製品を利用してきた。フィルムスキャナではなく,フラットベッドスキャナであるが,透過原稿ユニットが内蔵されており,4×5判までのフィルムを取りこむことができるからである。古い製品であるため,最近のOSに正式には対応していないが,あたらしい機種のドライバを使ってパソコンに誤認識させることで,使うことができるようになる(2015年12月20日の日記を参照)。
 そのようにして長く使ってきたが,先月,突然に電源がはいらなくなった。
 電源がまったくはいらない場合,まっさきに疑うのは電源コードの断線である。分解して調べたが,断線はしていない。スイッチ部の接触不良も疑われるが,こちらも問題ない。それならば,電源ユニットそのものの故障であろうか。ただ,電解コンデンサの液漏れなど目に見えるような異常は認められない。

EPSON GT-9700Fが使えないと,なにかと困る。
 イメージスキャナはこのほかに,Kenko KFS-500というフィルムスキャナを使っている(2016年2月9日の日記を参照)。ただしこのスキャナは,あまり品質がよろしくない。また,35mm判以下のサイズのフィルムしか読ませることができない。あくまでも,ライカ判のフィルムに限定した,簡易的なスキャナである。
 ともあれ,EPSON GT-9700Fがなければ,中判以上のフィルムを取りこんだり,ライカ判のフィルムでもきちんと取りこむことができない。
 まずは,現行の製品をあらたに購入することを考えた。現行の製品であれば,4×5判までの取りこみに対応しているEPSON GT-X980という製品が候補となる。しかし,およそ6万円もする。1クラス下のGT-X830は6×9判までしか取りこみに対応していないが,3万円ほどですむ。今後,4×5判のフィルムをスキャンする可能性は少なくなりそうだから,EPSON GT-830でじゅうぶんに思えるが,4×5判のフィルムをスキャンしたくなる可能性がゼロではないから,なかなか割り切れない。
 つぎに,EPSON GT-9700Fを修理できる可能性を考えた。公式には,修理の受け付けは終了している。インターネットオークションなどで中古品を入手し,電源ユニットを交換することができないだろうか。出品を調べてみた。GT-9700Fの出品は,思ったよりも数が少ない。開始価格は低いが,観察しているとそれなりに競合が発生し,意外と高値になる。ところが,GT-9700Fの後継機であるGT-9800Fは,これも出品数は少ないが,競合が見られない。
 そこで,一種の賭けに出ることにした。
 EPSON GT-9800Fを安価に落札することを狙う。もし,動作に問題なければ,より高機能の製品が安価に入手できたことになる。もしジャンク品だとしても,電源ユニットを流用できるかもしれない。だから,「通電」のみ確認されていれば,動作未確認で付属品がなくても,価格最優先で落札をめざすことにした。

そして,競合者があらわれることなく,無事に開始値で落札。
 届いたEPSON GT-9800Fは,かなり使い込まれている雰囲気はあるが,思ったよりはきれいである。

EPSON GT-9800Fは,GT-9700Fとは違って,32bit版であればWindows 10にも対応したドライバが提供されている。
 ドライバをインストールして,GT-9800Fを接続する。あっけなく認識され,ソフトウェアも起動した。
 そして,試しに1コマ,取りこんだ。

RICOH XR500, XR RIKENON 50mm F2, Konica 100

取りこみも,問題なくおこなえた。
 これで,フィルムをスキャンする環境が復活したことになる。
 長くお世話になってきたEPSON GT-9700Fとは,これでお別れということになりそうだ。


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