撮影日記


2018年05月22日(火) 天気:晴のち曇

今年はさびしいヒメヒオウギの花

ヒメヒオウギはこの時期に,小さなかわいらしい花を咲かせる。ヒメヒオウギは球根をもった多年草であるが,種子でも増えやすい。結果として,旺盛な繁殖力を見せてくれる。油断すると種子がこぼれて,そこらじゅうに繁茂する。その様は,放置していた空地が,いわゆるイネ科の雑草に覆いつくされるがごとくである。
 だから春先になると,抜く。いわゆる雑草の芽とあわせて,徹底的に抜く。それでもヒメヒオウギの花は見たいから,いくらかは残すようにする。ところが今年は手荒く抜きすぎたのか,花が咲かない。少々,さびしい状況になってしまった。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

だから,ふつうに撮ったのでは,見栄えのよい絵をつくれない。ヒメヒオウギのような小さな花は,それなりに密集して咲いてこそ,見ごたえというものがでるのである(2010年5月22日の日記を参照)。
 そこで今日は,久しぶりにCanon EOS 10Dの出番となる。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor E Macro 50mm F3.5, extension tube, FOTODIOX Pro ZE-EOS

もちろん,マウントアダプタを併用して,マミヤZE用のレンズを使って撮るのである。Mamiya-sekor E Macro 50mm F3.5で撮れば,硬質な印象で写すことができる。
 もっとも,これではあまりおもしろくない。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor E 50mm F2, extension tube, FOTODIOX Pro ZE-EOS

そこで,標準レンズMamiya-sekor E 50mm F2に中間リングを併用して,接写をおこなう。期待通り,フレアに満ちあふれた幻想的な印象に写ってくれた。
 マウントアダプタFOTODIOX Pro ZE-EOSには,無限遠にもピントがあうようにするためにテレコンバータが内蔵されている。これを使って開放(F2)で撮ると,フレアが目立ち,ソフトフォーカスレンズを使ったような印象に写る(2016年12月17日の日記を参照)。その光学系の性能があまり好ましくないものなのかもしれないが,あえてこういう効果を求めて使うならば,そのような短所も問題にはならない。

Canon EOS 10Dの撮像素子は,いわゆるAPS-Cサイズのものである。だから,50mmレンズを使っても,ライカ判でおよそ75mmレンズを使ったときに相当する範囲が写ることになる。そのうえ,マウントアダプタFOTODIOX Pro ZE-EOSには,約1.5倍のテレコンバータが内蔵されている。あわせて,ライカ判でおよそ105mmレンズを使ったときに相当する範囲が写ることになる。
 もっと大きなボケを求めて,焦点距離の長いレンズを使ってみよう。
 こういうときに,マミヤ純正の「M645→ZEアダプタ」が役に立つ。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor C 80mm F2.8N, extension tube, FOTODIOX Pro ZE-EOS

Canon EOS 10DにMamiya 645用標準レンズMamiya-sekor C 80mm F2.8Nを装着するために,2つのマウントアダプタ,FOTODIOX Pro ZE-EOSとMamiya M645→ZEを使っている。さらに接写をおこなうために,中間リングも併用している。接続したり,元にもどしたりするのが少々面倒な組みあわせとなる。大きなボケなどは期待通り得られるが,Canon EOS 10Dが出力する画像は少々あっさりしたものに思われるので,もっと花が密集した派手な状況で撮らなければ,いまひとつおもしろい絵にならない。そこが少々,残念である。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor C 80mm F2.8N, extension tube, FOTODIOX Pro ZE-EOS

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