撮影日記


2017年11月04日(土) 天気:山陽は晴れ,山陰は雨

意外と使える?期限切れフィルム

フィルムというものは,「生もの」である。古くなると,新鮮なときにくらべて「味」が落ちてしまう。具体的には,感度の低下や色バランスの変化などがある。さらに,保管状態がよくないと,カブリが生じるなどまったく使えないものになってしまう。そのため,フィルムというものには賞味期限ならぬ,使用期限というものが設定されている。
 最近,まとまった数量の期限切れフィルムを入手した。いずれもカラーネガフィルムで,使用期限が2002年の「ライトパンカラーV100」,2005年の「フジカラー100(業務用パック)」,2005年の「コニカカラー100(業務用パック)」,2006年の「コニカカラー400(業務用パック)」が含まれていた。いずれも使用期限が切れてから,10年以上経過したものである。よほど理想的な状況で保管されていないかぎり,かなりの悪い影響が生じているものと予想される。
 フジカラーにくらべてコニカカラーは,耐久性が低いという評判を耳にする。実際にどのような状態になっているのかは,実際に使ってみなければわからない。10年以上も経過していれば,少なくとも感度の低下はさけられないと考えて,感度ISO 100のフィルムである「コニカカラー100(業務用)」を,感度ISO 50のフィルムとして試しに使ってみた(2017年10月16日の日記を参照)。そして,「カメラのキタムラ」の店内で現像してもらった。

納品されたインデックスプリントを見たところでは,思ったよりもまっとうな画像が得られている。
 期限が切れたコニカのネガカラーは,「とても使い物にならない」という評価を見かけていただけに,意外な結果であった。1コマずつ,きちんとスキャンして確認してみよう。

FUJI Silvi F2.8, Konica 100

これを撮った日はよく晴れていて,澄んだ青空が広がっていた。広角側が24mmまで使える,FUJI Silvi F2.8のズームレンズはじつに好都合である。よく晴れた日でほぼ順光だから,きれいに写るのが当然の条件である。期限切れフィルムでありながら,その点にはこたえてくれていると評価できる。

FUJI Silvi F2.8, Konica 100

こちらは,カメラにとっては少々厳しい,逆光気味の条件で撮ったものになる。中央付近がやや赤みに転んでいるように見えるのは,逆光の影響であろうか。このコマの中央付近だけにカブリが生じているという,奇跡のような状態がおこるとは思えないので,フィルムに悪い影響が出ているのではなく,撮影時の状況によるものだと思いたい。

FUJI Silvi F2.8, Konica 100

青空と日陰の組みあわせは,全体に青くなってしまいがちで,どの程度に色を調整するべきか,判断に迷う。(上部のカブリは,スキャン時に生じたもの。)

FUJI Silvi F2.8, Konica 100

このコマは,判断に迷いながらも,おおむね納得できる程度の色に調整することができた。実際には,このフィルム本来の発色特性が,経年劣化によってずれている可能性は高い。しかし,あくまでもネガカラーフィルムなのだから,自分が思うように補正してしまえばよいのである。補正して,納得のいく範囲にできるならば,このフィルムは「まだ使える」と判断してよいだろう。
 より低感度のフィルムとして使っていることが,多少なりともよい結果に影響したのかもしれない。

なにより,保管状態が思ったほど悪くなかった,ということだろう。


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