2017年09月23日(土) 天気:くもり
いまでも見つかる110フィルム fuyunekoカメラのフィルムセット
長い間,写真を撮るための記録メディアとして,フィルムが使われてきた。軸に長いフィルムが巻かれたロールフィルムが発売されたことで,フィルムは扱いやすくなり,普及のきっかけとなった。
これまでに市販されてきたロールフィルムには,そのサイズなどから多くの規格が存在したが,もっとも長く使われた規格の1つに,135フィルムがある。これは,両端に孔が並んでいる35mm幅のフィルムがパトローネとよばれる金属製のケースに収められたもので,単に「35mmフィルム」とよばれることが多い。135フィルムを使うカメラは,プロやマニアが好んで使うシステム一眼レフカメラから,一般の人が気軽に使うコンパクトカメラまで,さまざまな機種が発売され,使われてきた。その種類は膨大であり,収集の対象としさらにいろいろと分類を考えることも,とてもおもしろい。
135フィルムを使うカメラには,「レンズ付きフィルム」とよばれるものもあった。これは「使い捨てカメラ」のようによばれることもあるが,メーカーが使っている名称は「レンズ付きフィルム」である。絞りもシャッター速度もピントも固定された簡便な機構のカメラであるが,フィルムやプリント機器の性能向上もあって,日中の撮影やフラッシュを使った撮影では,実用的な写真を撮ることができる。
135フィルムのほかにも,多くの人に使われてきた規格のフィルムはいろいろとある。その1つとして,110カートリッジフィルムがある。このフィルムを使うカメラは,ポケットインスタマチックカメラあるいは単にポケットカメラとよばれてきた。135フィルムにくらべて小さなフィルムを使うことで,カメラをポケットに入れられるくらいにまで小さくできたことをあらわしたいようである。発売されたカメラは,小ささと低価格を優先した,簡便な機構のものが多かった。また,フィルムが小さかったことから,どうしても画質がよくないという印象が強くなる。110カートリッジフィルムはしだいに使われなくなり,やがて店頭から姿を消した。
しかしながら,110カートリッジフィルムを使うカメラは,特徴的なおもしろいカメラがいろいろとあった。ユーザは減少しながらも,根強い人気を保っていたように思う。そしてときどき,小さなブームが起こることもあった。
そのようなブームのなかで発売されたカメラに,「ハリネズミカメラ」とよばれるものがあった(2005年7月15日の日記を参照)。カメラに,ハリネズミのイラストが描かれていることから,そのようによばれていたものである。カメラ本体のなかにフィルムを入れて使うのが,一般的なカメラのスタイルだが,「ハリネズミカメラ」はレンズとシャッターのついたユニットを,110カートリッジフィルムに取りつけて使うような形態になっている。本体よりもフィルムのほうが大きいのである。カメラの機構は簡便なものなので,画質の面では期待できない(2005年7月30日の日記を参照)。しかし,そのあまりにも小ささ,カメラそのもののかわいらしさが,一定の人気を得ていたようだ。
「ハリネズミカメラ」のシリーズは,そこに描かれた動物の違いによっていくつもの種類が発売されていた。ブックオフのジャンク品コーナーを覗いていたら,そのようなカメラの1つを見つけることができた。価格は108円だったので,救出し保護することに,ためらう必要はまったくない。
このパッケージでは,カメラとフィルムがセットになっている。セットされているフィルムは,Kodakの感度400のネガカラーフィルムだ。有効期限は,2009年7月である。未開封ではあるが,ずっと冷蔵庫で保管されていたということはないだろう。だから,このフィルムを実際に使うことはしない。いま,フィルムを詰めかえて使っているカートリッジ(2010年2月19日の日記を参照)が破損して使えなくなったら,このカートリッジだけを使うつもりだ。
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