2017年08月22日(火) 天気:晴
IX-NIKKORを救出
今日は,京都のほうへ日帰り出張だった。行き先は阪急沿線だったので,仕事が終わると,阪急梅田駅にもどってくる。そこからJR大阪駅へ向かうのだが,阪急電車を利用する機会は多くないので,最短ルートというものがわからない。適当にうろうろしていると,自然と歩き慣れた通路へ導かれる。するとまたしても,八百富写真機店という罠にはまってしまう。
あまり時間がないので,ジャンクコーナーだけを軽く眺める。あまり時間がないといいながら罠にはまってしまうのは,そもそもいかがなものかと思うのだが,これも軽い息抜きとなるのだから大目に見ていただきたい。
ジャンクコーナーに,おもしろそうなカメラボディは見あたらなかった。
つぎは,レンズをさがす。
ジャンクコーナーでは多くの場合,レンズは前玉を下にして立てて並べられている。通常,ジャンクコーナーのレンズからは,フロントやリアのキャップがはずされている。それらのキャップは,それぞれ価格をつけられて,ジャンクコーナーの片隅にまとめられているものだ。リアキャップがないレンズの場合,マウント側を下にして立てると,連動ピンや電気接点をいためてしまう恐れがある。そもそも,連動ピンなどのために,まっすぐに立てることができない。だから,前玉を下にして立てられている。
まずは,ニコンFマウントのレンズがないか,さがすことにした。
ジャンクコーナーにあるレンズに多いものは,ミノルタαマウントかキヤノンFDマウントのものだ。ミノルタαマウントは最近のディジタル一眼レフカメラでも使われているが,初期のものはいまさらほしがる人もいないのだろう。キヤノンFDマウントのレンズも,いまさらあらたに買おうという人は少ないのだろう。
ジャンクコーナーにおいてニコンFマウントのレンズは,ミノルタαマウントのレンズやキヤノンFDマウントのレンズにくらべて数が少ない。たまにあっても,やや強気な価格がつけられている。そんななかに,500円という価格をつけられたレンズがあった。廉価版のズームレンズのようだが,フードもついている。
そのレンズは,IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6だった。
IX-NIKKORは,APS一眼レフカメラであるPRONEAシリーズ専用レンズということになっている。残念だが私は,APSカメラにはあまり関心がない。安価であるが,これの救出は見送ることにした。
なにも救出せずに,八百富写真機店を出ようとしたその瞬間,考えをあらためた。
私は,APSカメラにはあまり関心はない。しかし,動く状態のPRONEA 600iを1台入手している。
しかも最近,期限切れだがAPSフィルムを何本かまとめて貰っていた。
ここでIX-NIKKORと出会ったのは,「少しだけでもPRONEAをきちんと使ってあげなさい」という運命の導きなのかもしれない。
さらに,別の関心も出てきた。
IX-NIKKORはPRONEA専用ということになっているが,ほかのボディで使えないのはどういう事情なのか,自分で確認しておきたくなったのである。
そこで,IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6を救出し,保護しようと手に取った。
しかし,ここでまた躊躇する。
これは,標準ズームレンズではない。望遠ズームレンズである。標準ズームレンズであれば,お手軽な撮影に使いやすいが,望遠ズームレンズだとお手軽には使いにくい。最短撮影距離もたいして短くないので,接写用レンズとしても使えない。
救出をやめて,棚にもどした。
ここでふたたび,思い直す。
このIX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6には,フードがついている。
こういうレンズの場合,あとからフードだけ見つけるのは,とても困難だ。レンズもきれいだし,フード付きで500円というのは,悪いものではない。
ジャンクコーナーの500円のレンズ1つを救出し保護するだけでも,これだけの迷いをともなうものなのである。
もっとも,レンズの存在を認識してから救出する決断をくだすまで,時間としてはせいぜい2〜3分程度のものにすぎない。
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