撮影日記


2017年04月27日(木) 天気:晴れ

ハイドロキノンといえば現像液だろ…?

最近,書店で並んでいる本をなにげなく眺めていたときのこと。
 私の目がとらえた単語は,なにか場違いなものであるような印象を受けた。
 その単語は「ハイドロキノン」である。
 書店の一角に,「ハイドロキノン」という文字の含まれたタイトルの本が,目立つように並んでいたのである。

この日記を読んでくださっているあなたは,たぶんなんらかの形で写真にかかわる人であろう。あるいは,写真やカメラに関心をもっている人であろう。それであれば,「ハイドロキノン」とは,「現像液に使う薬品の1つ」であることはすぐにご理解いただけるはずだ。もっぱらディジタルカメラで撮るだけだ,という人であっても,写真関係のいろいろな話を聞いたり本を読んだりしたら,「ハイドロキノン」が写真に関係する薬品らしい,くらいのことはおぼろげながら気がついているだろう。
 だから,「ハイドロキノン」という単語を含んだ書籍があっても,おかしくはない。だが,それを必要とするのは,現像処理の薬品を自分で調合してみようと考える人にかぎられるはず。写真関係の専門書のなかに,1つくらいまぎれているかもしれない,というくらいだ。「ハイドロキノン」という単語の含まれた書籍がたくさん並んでいることには,大いに違和感をもつのである。

そういえば昨年は,富士フイルムが「写ルンです」の30周年を宣伝していた。また,「チェキ」にモノクロームというあたらしいフィルムが用意されたり(2016年10月7日の日記を参照),この春にはあたらしいフォーマットの「チェキ」シリーズが発売されたりもしている。それを受けるかのように雑誌などでは,フィルムでの撮影に注目する人が増えている,というような記事を見かけることもある。
 しかし,だ。フィルムでの撮影に注目する人が増えたからといって,現像液の調合にチャレンジしようという人が,そんなに多くなっているとは思えない。少なくとも,写真の現像について,「ハイドロキノン」を専門に扱う書籍が大量に書店に並ぶような状況は,考えられない。「ハイドロキノン」がどうのというタイトルではなく,「モノクロ現像について」というタイトルならば,まあ考えられないこともないのだが…。

もしかすると,「ハイドロキノン」によく似た単語を見誤ったのだろうか?

その書籍に近づいてみると,どうやらハイドロキノンを含んだ美容液があるとかなんとか,そういう内容のようだ。
 現像液には還元性があり,素手でさわらないほうがよいということになっている。その主成分として使われる「ハイドロキノン」に,美容のための用途があるとは驚きである。


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